2025年3月8日(土)学園本館大講堂にて第76回成蹊高等学校卒業式が挙行されました。ご来賓の方々、保護者の皆様にもご列席いただき、本館大講堂で行われました。また、別会場ではライブ配信をご視聴いただく席も設けました。
式の最後に、中高吹奏楽部によるお祝いの演奏も行われました。「沈丁花」や「威風堂々」の心のこもった演奏に卒業生たちは胸を熱くしていました。
卒業生代表の答辞をこちらに紹介させていただきます。
「暖かな日差しに春の訪れを感じられる季節となりました。
この佳き日に、学園長をはじめとするご来賓の皆様、校長先生をはじめ先生方、ご家族の皆様、沢山の方に見守られて、私たち卒業生326名が、このように厳かに卒業式を迎えられましたことを、心より感謝申し上げます。
3年前に臨んだ入学式は、まだマスクをつけていて、席も離れていました。制限が多い中でも行うことができた、高校生活初めての遠足や体育祭、蹊祭、部活動の大会は、先輩方に食らいついていくのに必死で、あっという間の1年でした。
高校2年生になると、やっとマスクを外し、注意を払いながらも、体育大会や蹊祭で声を出した応援ができるようになり、みんなの笑顔があふれる日常が戻った一瞬一瞬に、懐かしさと嬉しさを感じました。また、行事や部活動、生徒会、委員会をリードする学年となり、様々な場面で、同級生が活躍している姿を見て、お互いに刺激し合い、高め合いながら成長した1年でした。
体育大会では、運動委員の人たちが中心となり、涙あり、笑いありの大盛り上がりの行事でした。リレー、サッカー、バスケ等、たとえ1位でなかったとしても、お揃いのクラスTシャツを着て、盛り上がった時間は忘れられません。
蹊祭では、実行委員が運営の中心となり、夏休みも、休み時間も、放課後も、楽しい文化祭にしたい一心で準備しました。みんなで取り組んだクラス展や有志展は、企画から装飾、当日の運営や、舞台でのパフォーマンス、後夜祭等、大変なこともあったけれど、どの瞬間も、個性が彩る輝かしい時間でした。
また、バスケットボール部で活動を共にしたチームメイトは、本当に大切な存在になりました。1番長い時間を過ごした分、1番ぶつかってしまうことが多かったけれど、その度に、何度も話し合ったことを覚えています。そうして取り組んだたくさんの練習も試合も、思い通りにいかないことの方が多かったかもしれませんが、全力で挑んだ試合からは、チームプレーの楽しさと、一緒に走ってくれる仲間の大切さを学びました。毎日のように汗を流し、がむしゃらに走り続け、たくさん泣いて、笑いあった日々は、本当に楽しくて、かけがえのない時間でした。
この3年間を振り返ると、支えてくださった方への感謝の気持ちがこみあげてきます。
まずは家族。これまで、充実した時間を過ごせたのは、私たちの意思を常に尊重し、どんなときも1番信じてくれた家族がいたからです。未熟な私は、注いでくれる愛情に素直になれず、たくさん迷惑をかけてしまったと思います。それでも、嬉しい時は私以上に喜んでくれて、元気がない時は、少し豪華なお弁当を作ってくれたり、話を聞いてくれたり、ずっと寄り添ってくれました。そのあたたかい愛情に何度も支えられ、背中を押してもらいました。18年間、やりたいことができる環境を作って応援してくれて、大切に育ててくれて、本当にありがとうございます。
次に先生方、3年間、本当にありがとうございました。毎日の授業やテストを通して私たちに学びの大切さや楽しさを教えてくださったこと、委員会や部活動で、時に厳しくも、たくさんのアドバイスをくださり、向き合ってくださったこと、最後まで進路を後押ししてくださったこと、心から感謝しています。先生方から教わったことを胸に、今度は私たちが誰かを支え、導いていける大人になれるよう努力していきます。
最後に、3年間共に過ごした同級生の皆さん、成蹊高校で過ごした日々は、どの瞬間を切り取っても、みんなの笑顔に彩られていました。たくさんぶつかって、一緒に成長して、ときに真剣に話を聞いてくれて、将来を熱く語り合って、ずっと応援してくれて、と思ったらまたふざけあって...。そんな日常を心から楽しめたのは、みんながいてくれたからです。自分たちで企画するところから始まった学習旅行、ぎりぎりまで準備した蹊祭、クラスで戦略を練った体育大会も、1度きりの高校生活がこのメンバーとだったから、輝かしいのだと思います。おはよう!から始まり、また明日!と別れる毎日が、今日で終わってしまうのは寂しいですが、みんなと過ごした日々は一生忘れません。本当にありがとう。
四季折々のケヤキ並木やチャイムの音、教室に差し込む木漏れ日、すべてが愛おしく感じます。休み時間の何気ない会話も、テスト前に、覚えていない!と騒がしくなる教室も、放課後に熱く語り合った時間も、もう過ごすことはないと思うと、寂しい気持ちでいっぱいです。
この先、想像もできないような楽しいこと、つらいことが待ち受けているかもしれません。でも今の私たちには、成蹊高校で、自分と他者と真剣に向き合い、何事にも一生懸命取り組んだ思い出と、心強い仲間がいます。それを力に変えて、成蹊の名に恥じない、蹊を成す人となれるよう、支えてくれる人への感謝の気持ちを忘れず、それぞれの道で、大きく羽ばたいていきます。
最後になりましたが、これまで私たちを支えて下さった全ての方に改めてお礼を申し上げると共に、成蹊高校の益々の発展を祈念し、答辞とさせていただきます。」
当時を振り返り、時折、涙をこらえながらの素晴らしい答辞でした。
卒業式終了後、生徒会の役員から花束が贈呈され、本館前で学年、保護者、教員の全体集合写真とクラスの集合写真の記念撮影を行いました。在校生も部活動でお世話になった先輩方のご卒業を祝うために本館前に集まり、門出を祝福していました。ピーチくんもお祝いにかけつけてくれ、卒業生の晴れ晴れとした笑顔が印象的な卒業式となりました。
卒業生の326名の門出を祝福し、これからのご活躍を心よりお祈り申し上げます。














