7月15日にお伝えした通り、毎週月曜日22時から放送中のドラマ「僕達はまだその星の校則を知らない」に、高校天文気象部が取材協力をさせて頂いています。
物語も序盤から中盤に移ると、ドラマの中での天文要素が増えてきました。
ドラマの主人公、白鳥健治さんは、男女共学化された学校にスクールロイヤーとして派遣された弁護士。
その白鳥さんがいる「スクールロイヤー室」のセットには、高校天文気象部が取材協力した様々なものが置かれています。
今回はそれらについて、セットの中に置かれた様子と、部室にあったときの様子などを比べながらご紹介します。
ドラマを見る楽しみのひとつとして頂ければと思います。



成蹊中高から貸し出したものの中で、これまでの一番多く画面に登場しているのが「ガリレオ式望遠鏡」。
イタリアの科学者ガリレオ・ガリレイが1609年に自作した望遠鏡を模して、中高地学科の前任教員が作成したものです。
ガリレオはこの望遠鏡を柱に括り付けて天体観測していて、その様子も再現しています。
成蹊高校では高校2年次の文系地学の授業で、このガリレオ式望遠鏡を使った太陽黒点観察をしています。
最初に作られた望遠鏡ということもあり、ガリレオ式望遠鏡は望遠鏡の視野が狭いのが難点。
屋上に光学系やフィルターが異なる4形式8台の望遠鏡を並べ、望遠鏡の光学系の違いによる太陽の見え方の差を実感してもらう授業をしています。



第3話からよく映るようになったのが、合宿などで高校天文気象部部員が撮影した写真。
スクールロイヤー室で白鳥さんが立つ後ろの壁に飾ってあります。
これらの写真は部室にあったものを、ドラマの装飾担当の方がいらしたときに貸し出したものです。
第3話はちょうど高校天文気象部が夏合宿をしているときに放送されました。
部員同士が夜22時放送のドラマを同じ部屋で見ながら感想を伝え合う。
そのようなことは、合宿や観測会の最中でなければできません。
部員にとって大変貴重な体験となりました。



第1話から目立たなく映っているのが、部員が作成したポスター。
ドラマでは丸められてカゴに入れられています。
今年1月にドラマの主要スタッフの方にご来校頂いたときは、ちょうど1月展を開催しているときで、脚本家の方や監督の方などに部員がポスターの説明をしました。
そのためでしょうか? 高校天文気象部の雰囲気がドラマによく反映されているのを感じます。



第4話からアップで映るようになったのが、こちらのプラネタリウム投影用の半球。
電球の光が半球に開けた穴から外に漏れてドームに写る星となる、ピンホール式のプラネタリウム投影機です。
スクールロイヤー室の机の下に置いてあるのは、高校天文気象部が、かつての蹊祭で使っていた投影機です。



貸し出したものではありませんが、スクールロイヤー室の様々な装飾品には、高校天文気象部の雰囲気が感じられます。
左端に写る黒字に「天文部」と書かれた首掛けは、部員が今年の新入部員勧誘のために作ったものに、また、奥の扉のガラスに貼られたイラストや天井から吊るされた天球儀は、部室の目隠し用に窓ガラスに貼られた星図に、雰囲気がよく似ています。
ドラマの天文ドーム入り口にある「天文部」と書かれた銀河のイラストも、部室にあったものを参考に描き直して頂いたものだと思います。
ドラマの装飾担当の方に部室をご覧いただいたのは短時間でしたので、プロの観察眼の素晴らしさを感じました。






ほかにも、コロナ前の蹊祭で使っていた布製のプラネタリウムドームを貸し出しています。
貸し出したコロナ前のドームは、小人数しか中に入れないのが難点。
コロナ後は段ボール製のドームに切り替え、投影機もピンホール式から魚眼レンズを用いたプロジェクター投映としています。



ドラマの主要スタッフの方には計4回、成蹊中高にお越し頂きました。
1月には天文気象部の部員たちを取材して頂きました。
ドラマの第3話に「夜の学校に残って天体観測会ができるのは天文部の特権だから」という旨のセリフがありましたが、それはこの時の部員の発言を拾って頂いたのだと思います。
4月には部室や天文ドームの様子をご覧いただき、6月には部のものの貸し出しを行いました。学校説明会のキャンパスツアーにもお越し頂き、蹊祭とよく似た雰囲気を感じ取っていただきました。
以上のように高校天文気象部は色々と取材協力をさせて頂きましたので、毎週月曜日のドラマの放送が楽しみでなりません。
ドラマのエンドロールに「成蹊高等学校 天文気象部」と、部の名前まで出して頂けるのは、今後はもうないのではと思います。
最後に、これまでのドラマを見た高校天文気象部部員の感想をお伝えして締めくくりたく思います。
・ドラマ後半では天文気象部がお貸したガリレオ望遠鏡やポスターなどが映っていて嬉しかったです。
ドームの中で3人が一緒に星を見ているシーンは、普段私たちが観測会をしているみたいな雰囲気で、そうしたシーンがドラマで取り入れられていたのがとても嬉しかったです。
・「これ私たちの部室がモデルじゃない!?」となる場面が多くて嬉しかった。
・前回とは打って変わって白鳥さんが可愛かった。
盗撮疑惑の叙述トリックが面白くもあり、男女どちらも理解と納得までが素早く、尊敬すべきところもあると思った。
後半の天文部の強みがうちの学校そのままで感動した。
これからの内容が楽しみになった。
・中世においては魔女狩りが当然のように行われ、正しい行為とされていた。
法はその時代に作られてしまえば、その法が改定されるまでその時代の倫理観等が採用されてしまう。
だからこそ我々は法と倫理の境界線を探り、まさに足りないところを補えるように、法を常に改定し続けることが大切なのだろうと思った。
<リンク>
・僕達はまだその星の校則を知らない
https://www.ktv.jp/bokuhoshi/
・高校天文気象部が取材協力をしたドラマ「僕達はまだその星の校則を知らない」の放送が始まりました
https://www.seikei.ac.jp/jsh/news/2025/19547.html
・ピーチくん(本桃) on X: "成蹊高校天文気象部の名前でてたー"
https://x.com/peachkun1924/status/1945042507672305782
<文責> 天文気象部顧問 田中