校長ブログ「百代の過客」

新校長に就任して

皆さん、こんにちは。本年4月から成蹊中学校・高等学校の校長に就任しました仙田直人です。今日から、ブログを始めさせて貰うことになりましたので、宜しくお願いします。学校や生徒の活動について、HPとは違う視点で綴っていきたいと思います。内容は、学校の日常を記したBLOGに加え、私がインタビュー形式で答えるVLOG(動画)の構成とします。成蹊の良さを知ってもらえる機会になれば、有難いです。

このブログのタイトルですが、「百代の過客(ひゃくだい〔はくたい〕のかかく)」としました。皆さんが知っている松尾芭蕉が書いた『奥の細道』の序文には、「月日は百代の過客にして、行きかう年も又旅人也。」とあります。これは、「月日は永遠の旅人であり、来ては過ぎる年も又旅人のようなものである。」という意味です。この「永遠の旅人」である月日が一日一日と進む成蹊の様子を、このブログを通してお伝えしたいと考え、「百代の過客」と名付けました。

そして、もう一つ理由があります。実は、この「百代の過客」は、李白が「春夜宴桃李園序」の中で「光陰は百代の過客なり」(時の流れは永遠の旅人のようなものである)として使った言葉で、それを芭蕉が引用したのです。この李白の漢詩には、「成蹊」を表す「桃李言わざれども下自ら蹊を成す」(司馬遷『史記』)の「桃李」が使われています。そのため、「桃李」をタイトルに使った漢詩の中にある「百代の過客」は、よりタイトルにふさわしいと考えたところです。

まずは自己紹介をします。私は小中高の12年間を成蹊学園で過ごした卒業生です。大学卒業後、1年の企業経験を経て、都立高校に教員として勤めました。そして、教頭や副校長の経験を積み、東京都教育委員会の主任指導主事を経て、都立三鷹中等教育学校の校長として、一期生を輩出しました。その後は、育ててもらった私立への恩返しとして、品川女子学院の校長を4年間務め、母校に着任したところです。

専門教科は日本史で、全国歴史教育研究協議会会長や文部科学省の中央教育審議会の一員として、新学習指導要領の制定に関わってきました。また、山川出版社の教科書や用語集・問題集、歴史散歩の本を執筆するなど、様々な形で歴史に携わってきました。これらの経験を糧にして、本校の生徒にも様々な形で還元をしていきたいと思っております。

「成蹊は、人を創る」という大きな観点のもと、自分の公立・私立の校長経験を活かし、母校「成蹊」の更なる発展に努めたいと思っておりますので、今後ともご支援・ご協力の程、何卒宜しくお願いします。