学科・大学院

教員メッセージ

有富 純也 
専門:東アジア文化論、日本古代史

自己紹介

日本史、特に飛鳥時代から平安時代を中心に研究しています。その当時の国家が、どのように宗教(仏教や神祇信仰)を利用して民衆を統治していたのかについて博士論文を書き、それをもとに『日本古代国家と支配理念』(東京大学出版会、2009年)を出版しました。

受験生へのメッセージ

「国際文化学科なのに、なぜ日本史?」と思うでしょう。しかし、あなたが語学を修め、留学や就職で海外に行ったとき、現地の人に聞かれるのは「マンガ」や「アニメ」だけではありません。日本語以外で、自国の歴史や文化を海外の人に語れる。そんな、日本を世界にアピールする人になって欲しいと思います。

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川村 陶子 
専門:国際関係論 現代ドイツ・ヨーロッパ研究

自己紹介

国際関係における「文化」の役割って何だろう、という素朴な疑問から出発して?年、手探りで研究を続けています。今はヨーロッパの中のドイツとアジアの中の日本を、国際文化交流や異文化間マネジメントへの取り組み方から比較しています。

受験生へのメッセージ

どんなことでもいいので、大学でこれを学びたい、という「マイテーマ」を持てるといいですね。国際文化学科では、授業やゼミ・卒論を通して、あなたのテーマを発展させていくお手伝いをします。好奇心とガッツのある人、お待ちしています。

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小武海 櫻子 
専門:中国近代史 民衆宗教史 華人ネットワーク研究

自己紹介

中国近代の地域社会史を専門とし、民衆宗教運動や民間文化といった視点から研究してきました。特に儒教・道教・仏教の混合する民衆思想の形成とその社会運動の広がりを19世紀の地域社会から分析しています。また移住民である華人のコミュニティと近代の民衆運動との関わりについても、香港、台湾、東南アジア各地との連帯と普及といった越境的視野から把握していきます。

受験生へのメッセージ

21世紀は中国の世紀と言われますが、隣国に住む私たちは中国をどれほど理解できているでしょうか。東アジアの海に立って眺めてみると、中国が古来より周辺各地域のさまざまな民族と文化、言語、慣習を取り込んできたことが分かります。中国がそうした多元的文化を持つ国家であり社会であると同時に、日本や韓国、東南アジア各地域においてもまた、現地の文化、料理、信仰は互いに融合し、多重複合的に形成されてきました。大学の学びを通じて、東アジアの歴史的な国家秩序の枠組みを学ぶとともに、そのもとで生活する人々の多様な暮らしと豊かな有様にぜひ触れてほしいと思います。

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佐々木 紳 
専門:アジア史、トルコ史、オスマン帝国近代史

自己紹介

学部生のころにトルコ(オスマン帝国)の歴史を志し、大学院生のときに2年間トルコに留学しました。その成果を博士論文にまとめ、『オスマン憲政への道』(東京大学出版会、2014年)として本にしています。授業では、グローバル・ヒストリー研究とオリエンタリズム批判の方法論に学びながら、トルコはもとより中東やアジアの歴史を広く世界史のなかに位置づける講義や演習をおこなっています。

受験生へのメッセージ

なぜ、トルコなのか?――と質問されることがよくあります。私の場合は、「ひとめぼれ」というよりも「じわじわ」好きになるといった感じでトルコの歴史に魅了されてきたような気がします。卒論を書いて少し好きになり、留学してまた少し好きになり、といった具合です。直感を信じてつかみ取るもよし、時間をかけてすくい取るもよし。大事なものを選び取る際の参考にしてもらえればと思います。

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寺本 敬子 
専門:フランス近代史、日仏交流史

自己紹介

フランス近代史を専門に、主にパリ万国博覧会を通じた日仏交流史を研究しています。とりわけ19世紀後半のフランスを中心にヨーロッパやアメリカの諸国に広がった「ジャポニスム」という文化現象に注目し、この現象がいかなる歴史的背景の中で誕生し、どのような「日本」像を形成したのかを、パリ万博への日本の参加を対象に、主に日仏間の外交・産業・文化の関係から分析してきました。同時に、パリ万博を契機に徳川昭武や渋沢栄一が構築した日仏間の人的ネットワーク、近代のパリを中心とした文化史(20世紀初頭のベル・エポックなど)の研究に取り組んでいます。

受験生へのメッセージ

私は大学生の時に西洋史を専攻し、それと並行して国際関係の諸科目や学芸員課程を履修することにより、比較文化、異文化交流史といった学問分野に惹かれ、「日本人とは何か、日本文化とは何か」という問いをヨーロッパという外部の視点から探究してみたいと思うようになりました。これが現在の研究テーマに繋がっています。国際文化学科では、歴史・地域文化研究、文化人類学および国際関係研究といった幅広い分野を対象に扱っています。国際文化学科に入学される皆さんが4年間を通じて、現在の世界が直面する諸課題について幅広い関心と問題意識を持ち、あらゆる情報を批判的に検討し、自らの考えを形成・発信する力を身につけていくことができるよう、担当する授業や演習ではヨーロッパの歴史と文化や比較文化研究を対象に、共に議論しながら取り組んでいきたいと思います。

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中野 由美子 
専門:アメリカ社会史、エスニシティ論

自己紹介

これまで、近代教育を受けつつ言語的・文化的多様性をどのように保持すべきかといった問題や、近代国民国家における市民的権利と集団別権利の問題などについて、主に合衆国の先住民の事例に即して探究してきました。『<インディアン>と<市民>のはざまで』(名古屋大学出版会)などの著書や論文の執筆を通じて、可能な限り文化的・民族的マイノリティの視点や価値観を踏まえるべく悪戦苦闘しながら研究を続けています。また、第二のライフワークとして、近年、国内外のワイン醸造の比較研究(?)に取り組んでおり、休暇時にときどき「現地調査」と称してワイナリー訪問を楽しんでいます。

受験生へのメッセージ

大学では、自分で問いを立て自分の力で解くこと、それを最終的には卒論の形で情報発信することが求められます。ただし、自分だけではこの作業は完成できないと私自身は考えています。自力で調べて考えたことを人に聞いてもらうこと、自分の書いたものを人に読んでもらうこと、お互いに建設的なコメントをしながら切磋琢磨すること、意見や価値観の違いを尊重しながらも具体的な解決方法や共通点を探ること―このような過程がとても大切です。講義やゼミの場で、特定の課題に取り組み議論を重ねていくなかで、またクラスメートやゼミの仲間との共同作業やディスカッションを通じて、自分にとって興味深いテーマ・本当に重要だと思えるテーマを探究していきましょう。

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墓田 桂 
専門:国際政治学、安全保障研究

自己紹介

2005年に外務省を退職し、成蹊大学に着任しました。充実していると時間が経つのは早いものです。国際政治や安全保障、人道問題など、幅広いテーマを研究対象としています。既存の秩序が大きく揺れている時代です。混沌とした時代には現実主義的な思考でなければ乗り切れない場面が多くあります。そうした感覚を学生の皆さんと共有できればと思っています。

受験生へのメッセージ

「セレンディピティ」という言葉があります。何かを探していて、思いがけず別の何かに遭遇する、別の何かを発見するといった意味です。授業や読書、教師、友人、社会との交流。大学にはセレンディピティの種が多く埋まっています。未知との遭遇をぜひ楽しんでみてください。

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樋口 真魚 
専門:日本近現代史、日本外交史、東アジア国際関係史

自己紹介

近現代日本の対外関係史を専門としています。なぜ日本は中国やアメリカと戦争をするに至ったのか、という疑問から近現代史に関心を持ちました。勉強を進めるうちに、かつての日本が国際社会をどのように認識していたのかが気になり始め、国際連盟への対応を手がかりとして、日本外交の国際秩序認識について研究するようになりました。政治史や外交史だけでなく、社会史や文化史などにも関心を寄せつつ、近現代史を立体的に把握したいと考えています。

受験生へのメッセージ

大学では与えられた課題をこなすのではなく、自ら問題を発見し、試行錯誤を重ねながら解決方法を探し出すことが求められます。これは大学生の間だけでなく、社会人になってからも必要とされる能力です。大学での学び(=学問)を通して、自分の頭で物事を考え、それを自分の言葉で発信できる人になってほしいと思っています。そのために、みなさんを全力でサポートするつもりです。

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細谷 広美 
専門:文化人類学、ラテンアメリカ地域研究

自己紹介

アンデスの先住民宗教、文化について調査研究をしてきています。研究地が紛争地域となったことから派生して、現在はグローバル化が進展するなかでのシティズンシップと人権の関係や、紛争後の平和構築のプロセスにおける移行期正義とマイノリティの関係について研究しています。ゆるゆると続けてきているのは、負の遺産を含めた世界遺産巡りと美術鑑賞です。

受験生へのメッセージ

私が調査研究で訪れる場所は、紛争を経験したり、貧富の差が顕著で、勉強をしたくてもできない子供たちや若者たちで溢れています。優秀で能力の高い若者たちが機会を奪われていることを残念に思う一方、どんな状況にあっても向上心と希望をもつ姿に感動します。皆さんが大学で学ぶことができるというのは、世界を見渡してみると大きな好運です。他方で、大学に入学することはグローバル化が進展するなかでは終着点ではありません。入学とともに世界の同世代の若者たちとの競争がはじまります。この競争は単純な勝ち負けではありません。自分の可能性をどこまで拡げていくことができるかという競争です。

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嶺崎 寛子 
専門:ジェンダー学、文化人類学、宗教学

自己紹介

「主体的に女性であり、かつムスリムであるとは、当事者にとってどういうことか」を、エジプトを調査地として探求しています。ムスリム女性のリアルを日本に伝えるべく、『イスラーム復興とジェンダー』(昭和堂、2015年)などの本も書きました。さらに、世界各地に支部を持つ、アフマディーヤ教団というイスラーム少数派の研究もしています。こちらでは、ジェンダーの視座から、国際移動、移民のアイデンティティ形成や次世代育成などを調査しています。

受験生へのメッセージ

大学は自分の問題関心や興味を好きなだけ、とことん追求できる場所です。教員やゼミ仲間との討論を楽しみ、疑問や質問をそのままにせず図書館を使い倒してください。自ら学ぶ気概を持てば、大学はあなたにたくさんの実りをくれるでしょう。「何でもやってみよう」精神で、全力で学びを楽しんでください。国際文化学科には、皆さんの知的好奇心を満たす授業やゼミがきっとあります。好奇心あふれる皆さんをお待ちしています。大学で培う「自ら学ぶ力」は、皆さんのその後の人生を限りなく豊かにしてくれるでしょう。

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