谷川岳のふもと、芝倉沢近くに山小屋「虹芝寮」があります。寮名は当時の浅野孝之校長が「全唐詩」（呉筠作）の一節から命名したものです。

成蹊高等学校は当時全生徒数僅か約４００名の学校でしたが、当時の浅野孝之校長は、創立者中村先生の教育の主眼とされた生徒の人格形成にとって自然に親しむことを非常に大切にしておられました。折から当時の旅行部の生徒達が、まだ日本では珍しかった山小屋を自分たちで建てたいという熱望を持ち、場所の選定から建築案まで具体的な案にして提出してきたのを受け入れ、その実行を承認されました。以後旅行部生徒達の自主的な活動によって、道路作りから現場の監督まで、夏休みを使って建設作業が進み、１９３２年(昭和７年)９月、念願の山小屋「虹芝寮」が完成しました。以後ここを中心とした登山・スキー・生物研究などに活用され、また多くの登山家達を育てました。

２０１１年(平成２３年)には成蹊学園創設１００周年、虹芝寮建設８０年に合わせ大規模な改修工事を行いました。虹芝寮の管理には開設以来、成蹊山岳部ＯＢ「踏高会」を中心として現役の生徒・学生らで守り続けています。

虹芝寮はブナの森の中にあり、湯桧曾川沿いのほとんど平坦な山道を歩くこと約２時間で着くことができます。
６月にはブナの新緑が美しく、１０月末には全山が紅葉します。四季を通じて豊かな自然に恵まれ訪れる人を癒してくれます。