2021年3月24日(水)学園本館大講堂にて成蹊中学校の卒業式が挙行されました。ほとんどの卒業生は成蹊高校へ進学しますが、3年間でぐんと成長した中学校生活を振り返り、お世話になった先生に感謝の言葉を伝える、節目の日になりました。

卒業生代表の答辞を一部紹介します。

「2年生も残りわずかというところで、コロナウィルスの影響がだんだんと大きくなってきて、最後の定期試験、合唱祭は中止となってしまいました。その影響は収まることなく、中学3年生は自粛期間の中、スタートしました。初めは、学校がない、早起きをする必要もない、と今までにない長い休みに、心を躍らせた人も多いと思います。しかしそれも初めだけで、私は当たり前だった学校生活がとても恋しくなりました。問題を解くのも、ノートを書くのも1人。教室で先生と向き合い、クラスメイトと授業に取り組んでいたことがこんなにも懐かしく感じたのは初めてでした。
4月中旬になると、オンラインでの授業が始まりました。オンラインでのクラス朝礼で久しぶりにクラスメイトの顔を見た時、私は強く安心感を覚えました。
6 月になると分散登校が始まり、クラスの中で半分に分かれ学校で授業を受けました。何回も歩いているはずの欅並木がとても新鮮で、入学当初の期待と不安が入り混じった気持ちが思い起こされました。クラスメイトが半分しかいない教室はとても広くて、不思議な気持ちでした。
7月になるとやっとクラス全員が教室に揃いました。クラス全員の登校日、教室でみんなが揃った嬉しさは言葉に表せないほどでした。
 10月には蹊祭が行われました。1年生の頃から楽しみだった最高 学年で迎える蹊祭。コロナにより今まで通りにはいきませんでしたが、蹊祭に向けての準備は大変さよりも楽しさが勝って仲間と共に作業に没頭する毎日でした。先生方の心強い支えもあり、一時ですがコロナを忘れさせてくれる充実した 二日間になりました。

コロナウィルスは決して良いものではありませんが、私はこれにより、当たり前の大切さに気づくことができたと思います。私は学校での日常が毎日ずっと繰り返されるものだと思って特に意識することなく一日一日を過ごしていました。だから、コロナウィルスにより、明日学校に行けるかも分からない、お弁当は前を向いて静かにしなくてはいけない、そして、部活動も思うようにできないという 日々で、私は当たり前の日常がどれだけ充実していたのかを実感しました。
 計画を立てていた修学旅行も、体育祭も遠足も、学校行事は相次いで中止になってしまったけれど、中学3年生として過ごした一年間は、友達との何気ない会話 や帰り道の出来事、職員室でした先生との楽しい会話が私にとって毎日の学校行事でした。当たり前の大切さに気づく事が出来たから、1日1日を大切に過ごせたのだと思います。

成蹊中学校での三年間はどこを切り取ってもかけがえのない時間です。そしてそのどの場面の中にも、この三年間で得た仲間がいます。クラスメイト、部活の仲 間、委員会の仲間、様々な仲間がいるんだと思うことで心強くなり、辛いことに も挑戦できたし、また時にはライバルとして共に競ったりすることができました。
 
仲間を始め、私達に大きな背中を見せて下さった先輩方、まだまだ未熟な私達を 頼ってくれた後輩、様々な場面で私達を優しく、時に厳しく指導してくださった 先生方、素晴らしい環境を作ってくださったたくさんの学校関係者の方々がいなかったら私達はこんなに楽しい学校生活を送れていませんでした。この三年間に携わる全ての人たちに、心より感謝申し上げます。そしていつも支えてくれた家族に、この場を借りて感謝を伝えたいと思います。私達がこうして素晴らしい学 校生活を送り卒業を迎えることができたのも、家族のおかげです、本当にありがとうございます。
 成蹊中学校で学んだ数えきれないほど沢山の思い出を胸に刻み、これからも精一杯励んでまいります。」