校長ブログ「百代の過客」

探究学習を深めて ~家庭科テーマ学習チャンピオンシップ大会~

 成蹊高等学校の家庭科では、20年以上にわたり、夏季休業期間を利用して家族に関連する内容のテーマ学習に取り組んできました。これまではクラス内の発表だけでしたが、今年度からクラス代表によるプレゼンを行うチャンピオンシップ大会を開催することになりました。上位3チームには、表彰状と副賞が贈られることから、私以外に外部から3名の審査員をお呼びして、厳格な審査をいたしました
大会告知の案内
発表風景

11月13日(土)13時、本校大教室に於いて、高校2年生8チーム23名の生徒によるプレゼンの開始です。発表はパワーポイントを使った10分間のプレゼンを行い、その後に審査員からの質疑応答を受ける形式です。各クラスの発表テーマは、G組「保育制度をどう考えるのか」、E組「北欧と日本のLGBTをプライドパレードを通して考える」、F組「日本における人種差別問題」、C組「アンコンシャスバイアスとその実態」、H組「育児と保育の現場」、D組「最期の選択」、A組「日本でLGBTQを当たり前にするには」、B組「日本の介護の問題」です。

発表風景
発表風景

どの発表もテーマ設定の理由や目的をしっかり説明したうえ、その課題を明確にし、課題解決に対する仮説を立て、具体案を根拠となる資料を提示しながら、説明していました。緊張感漂う発表会でしたが、生徒達は物怖じすることなく、非常に高いプレゼン能力を発揮してくれました。

金賞は、医療的ケアの必要な子供に対する介護問題を取り上げた、B組代表生徒が獲得しました。実際にその境遇にある方と接したうえ、課題解決の方法として「医療的ケアができる人材の育成」「ケアをする人をケアするレスパイトケアの必要性」を挙げてのプレゼンでした。審査員の方々からの評価も高く、スタディツアーやシンポジウムへの参加も決まりました。

銀賞は、保育制度の財源を軽減税率などに求める具体策を提示したG組と、ターミナルケア(終末期医療)を取り上げたD組の2チームで、掛け合いでのプレゼンや動画の活用など、工夫を凝らしての発表でした。

会場内での表彰式(金賞)
会場内での表彰式2(銀賞)
会場内での表彰式3(銀賞)
金賞受賞者の朝礼での表彰式

第1回大会にもかかわらず、素晴らしい発表が続いたことは、生徒の能力に改めて感心させられたうえ、今後への期待も益々高まりました。今後は、プロトタイプした具体策を実証実験するまで掘り下げるとともに、外部のプレゼン大会などに挑戦してくれることを期待しています。