校長ブログ「百代の過客」

留学生の日本文化体験

 10月17日(月)~19日(水)の2泊3日で、留学生対象の修学旅行が実施されました。アメリカ、オーストラリア、オランダ、上海、フランスからやって来た7名の留学生は、英語の教員と一緒に、広島・京都・奈良を巡ってきました。

短期間ではありましたが、日本の多くの歴史的建造物を見学し、奈良興福寺では、ドイツ出身のザイレ御坊から色々と貴重なお話を伺うこともできました。その上、日本の美味しいものをいただき、留学の派遣団体や出身国を超えて、仲良く楽しい経験をすることができました。
原爆ドーム前で
ザイレ御坊と一緒に(興福寺)
「Big Buddha」を背にして(東大寺)
金閣寺にて
嵐山の竹林の小径で
抹茶パフェが美味しかった!!

 11月11日(金)午後、私が本校に来ている留学生を連れて東京都立中央図書館へ行き、歌川広重をはじめとする浮世絵の鑑賞を一緒に行いました。
 まずは校長室で、私からパワーポイントを使って浮世絵の基礎知識と広重の作品の鑑賞の仕方をレクチャーしました。浮世絵は、絵師だけではなく彫師と摺師の三者の合作であり、一枚の絵を完成させるために、すごい技術が必要であることを知ってもらいました。また、広重がゴッホに与えた影響(ジャポニスム)なども紹介しました。
 そのうえで、学校から広尾の中央図書館にいざ出発です。留学生も新宿駅や恵比寿駅での乗り換えも手慣れたもので、秋晴れの中、庭園が少し色づきかけた有栖川記念公園に順調に到着しました。

吉祥寺駅で再集合
有栖川記念公園で

 この日は、都立中央図書館の方々のご協力で、普段は鑑賞できない本物の浮世絵を25点も展示してもらいました。広重の『東海道五十三次』からは、東海道の起点である「日本橋」や雪景色の「蒲原」、雨の描写が素晴らしい「庄野」や熱田神宮の祭礼の息遣いが聞こえるような「宮」などを鑑賞しました。また、『名所江戸百景』からは、お台場が見える「高輪うしまち」や放生会に使う亀が吊るされた「深川万年橋」、馬のデフォルメの構図が面白い「四谷内藤新宿」なども鑑賞しました。遠近法を使った「する賀てふ」や鳥瞰図の技法を取り入れた「両国花火」などの斬新な構図の作品も生徒たちは熱心に見てくれました。

私の説明と布施木先生の通訳に聞き入る生徒達
浮世絵版画に興味が出てきた!!

 この他、豊国の「助六由縁江戸桜」などの歌舞伎絵や武者絵・美人画・相撲絵などを観て、大首絵の面白さも堪能しました。一人の留学生が広重の「猿わか町 よるの景」に描かれたHiroshigeブルーを気に入り、間近で食い入るように鑑賞していました。この気持ちを世界で広めて貰いたいと感じました。また、この間通訳をして頂いた布施木先生には大変感謝いたします。
 本校の生徒が留学をした際には、海外の学校で多くの文化に触れさせてもらっています。本校としても、来てもらっている留学生に対して、日本文化の理解につながる体験を多く取り入れ、日本通になって帰ってほしいと思っています。そのためにも、このような取り組みを今後も続けていきたいと思います。

みんなで一緒に!
自撮りでもう一枚!