校長ブログ「百代の過客」

荒天が好天を呼んだ修学旅行

 11月13日(日)~16日(水)、中学3年生が奈良・京都への修学旅行に行ってきました。昨年度より、1泊増やしての実施です。

 1日目は、新大阪駅からバスで法隆寺と飛鳥の見学です。残念ながら、法隆寺は雨となってしまいましたが、金堂内の釈迦三尊像をはじめ、玉虫厨子や百済観音、夢殿内の救世観音などを間近に眺め、飛鳥文化に浸ることができました。玉虫厨子の前で生徒は、私が懐中電灯で照らして浮かび上がった玉虫の羽や朝礼で説明した捨身飼虎図に見入っていました。そのような真摯な生徒の姿に空も味方してくれたのか、午後3時からの飛鳥は夕陽が雲から覗く天気へと回復しました。飛鳥寺や石舞台古墳は勿論のこと、甘樫丘からの飛鳥の全景は生徒たちの眼に焼き付いたことと思います。
雨の法隆寺
飛鳥大仏と一緒に
甘樫丘から

 2日目は、班別で奈良から京都にかけての見学です。午前中は、東大寺で大仏の大きさに圧倒され、興福寺では阿修羅をはじめとする八部衆に魅了されました。大仏や阿修羅の真似をする生徒たちの愛嬌の良さに思わず微笑んでしまいました。また、奈良公園の鹿と戯れる姿にも可愛さを感じた一日でした。午後、私は浄瑠璃寺と平等院のコースに同乗させてもらいました。紅葉が始まった寺院の庭園はとても美しく、平安時代の面影を感じました。

大仏を背に大仏ポーズ
興福寺の五重塔をバックに阿修羅ポーズ
興福寺の五重塔をバックに阿修羅ポーズ
金剛力士像ポーズ
鹿と戯れる生徒
雅な浄瑠璃寺

 そして、3日目はいよいよ京都市内の班別自主研修です。金閣寺、伏見稲荷、八坂神社、嵐山などの定番人気スポットから、マニアックな寺社や伝統文化体験まで、幅広い研修が展開されました。私は出町柳付近で、河合神社に向かう班と出会い、組紐づくり体験の班の様子を見学に行きました。どの班も自分たちで考えたコースを満喫していました。

賀茂橋でバッタリ遭遇
組紐体験に真剣な生徒達

 最終日、紅葉の清水寺は、唯一のお土産タイム。老舗の漬物や七味に生八つ橋、今どきのバームクーヘンや焼き菓子など、家からのニーズにも応えつつ、エネルギッシュな購買力に笑顔が見えました。最後は三十三間堂でクラス写真を撮り、千手観音を後にして東京への帰路につきました。

紅葉の清水寺
お土産、買いました!

 4泊5日で行っていた本校の修学旅行ですが、現在は1泊減じての実施となっています。しかし、いつものように飛鳥や京都の奥深き寺社などを巡る定番以外の場所も充実している魅力あるコースでした。私が成蹊中学で体験した比叡山延暦寺やその叡山を借景とする圓通寺の光景は、今でも私の眼に焼き付いています。今回の修学旅行も生徒達一人一人の胸に刻まれた修学旅行となったことと思います。