校長ブログ「百代の過客」

深海魚を食べる!?

 6月17日(土)、成蹊中学高等学校のOBで、東京大学海洋大気研究所の猿渡敏郎先生をお招きし、本校生物室で実施された、生物科企画特別講座「あの手この手で海を探り、深海魚の姿に迫る」に参加してきました。

 猿渡先生には、この10年近く本講座を後輩のために実施して頂いております。今回も中学1年生を中心に高校生まで、30名ほどが参加しました。先生の自己紹介に続き、第一部は「海を探るとは」、第二部は「海洋の魚類、魚の体のつくりと生態」と題して、スライドを使っての講義がなされました。改めて生物資源の重要さを認識するとともに、深海魚の生態や種類などの興味ある話が続きました。特に、「夢の研究」と題されたインドネシアシーラカンスの話に、生徒達は引き込まれたようで、実際にシーラカンスが展示される7月開催の東京国立科学博物館での「海」展に行きたいという声があがっていました。
講演される猿渡先生
豊富なスライドで、分かりやすく
実際の深海魚を前にして

 第三部は、興味津々の「深海魚観察」で、一人一人が2種類の深海魚を選び、解剖開始です。大きな魚から寄生虫が実際についている魚まで、生徒が思い思いの魚を手に取り、解剖する姿は、「本物に触れる」教育が実践されていることを実感しました。

大きな魚を選んで、満面の笑み
さて、どうやって解剖するかな
解剖は楽しい!

 そして、最後の第四部は、お楽しみの「深海魚の実食」です。調理室で、家庭科の先生方が調理してくれた深海魚を何種類も食べました。ツボダイの味噌汁に、先生一押しのアオメエソ(メヒカリ)のから揚げ、クロタチカマスやフトツノザメのムニエル、シオイタチウオの梅煮など、バラエティに富んだメニューです。生徒達からは、「美味しい!」の声が自然と出てくる楽しい締めくくりとなりました。

調理を担当してもらった家庭科の坂井先生
こんなにバラエティなメニューです
「これ、美味しい!」
深海魚を堪能しました

 参加した生徒達は、今回の経験を踏まえ、海の生物への興味は勿論のこと、投棄魚の有効活用など、水産資源に関わる環境問題などへの興味が益々増したことと思います。これからも深海魚を解剖する時の真剣な眼差しを忘れないで欲しいです。
 そして最後に、猿渡先生、本当に有難うございました!!