校長ブログ「百代の過客」

「前へ!前へ!前へ!」(中学3年生 税所篤快氏講演会)

 6月29日(土)の中学3年生の桃李の時間(道徳の時間)において、税所篤快(さいしょあつよし)さんの講演会がありました。税所さんにとって本校での講演会は久しぶりで、わざわざ長野から駆けつけて頂きました。

自己紹介をする税所さん
真剣に聞く生徒達

 税所さんは、「最高の授業を、世界の果てまで届けていく」というコンセプトで、国際教育支援を行うNPO「e-Education」を立ち上げた起業家です。このブログのテーマの「前へ!前へ!前へ!」は、税所さんが最初に執筆した本のタイトルで、講演の前半で触れられた自分が起業家を目指すきっかけについて語られています。
 そのきっかけとなったのが、大学を休学して行ったバングラデシュの地です。目的は、最高の社会起業家としてノーベル平和賞まで受賞した、グラミン銀行のムハマド・ユヌスさんの下で修業がしたかったためです。税所さんは、『グラミン銀行を知っていますか』を読んで感動して、その著者である秋田大学の坪井ひろみ先生にすぐに会いに行き、そしてバングラデシュへと向かうのです。その行動力の凄さと速さに、生徒達は大変驚かされました。

『前へ!前へ!前へ!』の紹介
『グラミン銀行を知っていますか』の紹介

 そして、税所さんがバングラデシュの貧困層が暮らす村に入って奮闘した様子を、リアルで分かりやすい表現で軽妙に語って頂き、生徒達は話にどんどん惹きつけられていきました。この村に入ることをユヌスさんに提案した際、ユヌスさんから掛けた貰った言葉が「Do it  Do it Go Ahead」で、そこから本の題名を付けたのです。税所さんは、所々で生徒に考えさせる時間を作り、降壇して生徒へ直接質問することも行うと、生徒との距離がぐっと近くなって親近感がわき、生徒達は「税所ワールド」に魅了されていきました。

話し合う生徒達
生徒の中に入って質問する税所さん

 話は、限られた時間の中ではありますが、バングラデシュから他の地域にも及びました。生徒の中からはもっと聞きたいとの声が多く出るほどのあっと言う間の50分間でした。今後は、ドイツが受け入れた難民向けの教育を秋以降に現地に入って展開していかれるそうで、結果が楽しみです。
 この感動を生徒が忘れないためにも、税所さんの著書コーナーを図書室に設置し、夏休みに読んで貰えるようにしました。税所さん、ご講演をして頂き本当に有難うございました。

講演会の様子
図書室のコーナー