校長ブログ「百代の過客」

同窓生の前で、堂々のプレゼン!!

 3月16日(土)、成蹊中学・高等学校の同窓会委員会が本校大会議室で開催されました。昨年に引き続き、委員会の場をお借りして、本校生徒が探究学習の発表をしましたので、紹介いたします。
 最初に、私から本校が中学1年生から高校2年生まで系統的に探究学習を行っていることを説明させてもらいました。3年前に始めた学年全体での探究学習も、今年度ようやく5学年にわたって実施することが出来ました。そのうえ、「三菱みらい育成財団」の助成を受け、希望者向けの「コーポレート(企業連携)」「SDGs」「スタートアップ」の3分野における探究講座も数多く開設することが出来ました。今回は、中1から高2までの探究学習の代表チーム(生徒)と企業連携を行ったチームの発表です。 
 次に、これも本校が重視している国際理解教育についての概要も私から説明しました。春休みのUC.デービスに始まり、夏のケンブリッジ大学や北欧への研修、3学期のターム留学(カナダ)など、1年間切れることなく留学ができるシステムについて、紹介しました。その上で、今年の夏に短期留学に行った生徒の発表をさせてもらいました。
 前半の中学3年生の探究学習「10年後の社会にどう関わるか」では、仮想通貨を考えた「10年前に戻れるとしたら、あなたは何をしますか?」と「AIは今後人間とどのように関わるか」をテーマに2名の生徒が発表しました。データを用い、インタビューなども行っての発表には説得力がありました。
 中学1年生は、文化祭後に始めた「企業インターン」の探究学習です。7つの企業が抱える実際の課題に応えるミッションで、発表したチームは時計メーカーの「CITIZEN」からのオーダーについて考えました。文化祭までの社会課題を考えた怪獣の制作から、ガラッと様変わりしたもので、興味深かったです。
 中学2年生は、吉祥寺と地域連携を行った探究学習で、「堂々行動!ハーモニカ横丁」というテーマのチームが発表しました。闇市の名残があるハーモニカ横丁のイメージを変えるべくキャラクターやロゴ入りTシャツを考えたもので、実際の取材などを中心に吉祥寺の街を中学生の発案でChangeしたいという想いが伝わってきました。

仮想通貨について分析
データを示しながらAIとの関わりを説明
自分たちの考えた腕時計
ハーモニカ横丁のキャラクターを考えました!
プレゼンしてくれた中学生たち

 後半は高校生の発表です。高校1年生は、来年度実施する学習旅行に付いて考える探究学習で、第1位となった「桃鉄の物件から山口を学ぶ」チームが発表しました。企画力・表現力・協働力が問われる中、桃太郎電鉄という高校生に身近なゲームを切り口にした点はとても斬新でした。
 高校2年生は、家庭科の課題学習を発展させた探究学習である「家庭科シンポジウム」において、審査員特別賞を受賞した「生理の貧困」チームが発表しました。女子生徒だけでなく、様々な人に生理の事を知って欲しいという発想から始まったものです。結果として、3学期には、実際に高校1・2年生のトイレに生理用ナプキンを無料配置する取組にまで発展しました。
 次に、「コーポレートPBL」の一つとして、大正製薬とのコラボ企画である「リポビタンDのラベルづくり」の探究学習の発表です。マーケティング理論を学び、様々な情報収集をしながら作成した過程を説明すると共に、実際に文化祭で販売した成果も披露されました。
 最後は、国際理解教育の分野から、文部科学省の「トビタテ!留学Japan」により「ガーナへの医療ボランティア」に行った生徒の発表でした。彼女は、命の誕生に立ち会って感銘したことや、アフリカの医療事情の厳しさも語ってくれました。自分自身もマラリアに罹患する大変さを味わったにもかかわらず、最後までボランティアを続けた意思の強さに同窓生の方たちも驚いていました。
 この発表会は、本校の探究学習のエッセンスが詰まったものです。同窓生の大正製薬ホールディングス社長の上原明様や、衆議院議員の古屋圭司様からも暖かい言葉を頂き、本当に有難かったです。緊張した場面が続いた生徒達も最後はやわらぎ、同窓生からの激励に一人一人が応えていました。有難うございました。

「山口に行ったことが無い」というチームだからこそ説得力がある!
生理の問題をみんなに分かって欲しい気持ちが伝わりました
鷲の顔が押された面白いラベルです
聴衆にいた医学関係者も驚いていました
プレゼンしてくれた高校生