校長ブログ「百代の過客」

本校卒業生による講演会「外交官の仕事」

 6月6日(木)の6時間目、本校大教室にて、高校3年生の文系の生徒に対して、外務省と連携した「外交官の仕事」と題する講演会を開催しました。講師は本校の卒業生で、現在外務省総合外交政策局安全保障協力室にお勤めの根本由梨奈主席事務官です。根本さんは、本校卒業後、東京大学を大学院まで進み、入省したとのことで、専門のフランス語を活かしてアフリカの地にも赴かれていたそうです。

 先ずは、「外務省について」の話があり、外務本省と在外公館の役割の違いなど、一般には余り深く認識していないことを掘り下げて話をしてくれました。次は「日本を取り巻く国際環境」についての話で、ニュースを騒がせている中国・北朝鮮・ロシアに対する現在の日本の認識を語って貰いました。「ウクライナは、明日の東アジアかもしれない」と言う言葉を聞いて、改めて今の外交の厳しい現状を知らされた気がしました。話はグローバルサウスの国々にまで及び、世界を広い範囲で見なければいけないことも痛感しました。

講演する根本さん
近隣諸国との厳しい関係について
グローバルサウスについて

 3つ目は、「日本外交の5つの取組」についてです。「平和と安定の確保」「開発協力」「日本経済の成長と繁栄の追求」「日本についての理解」「国民と共にある外交の現状」の5つの視点からの話は、今後の日本が世界に対して何をなすべきかを示唆して頂いた話です。現在の海外の現状の説明では、「たびレジ」を紹介するパワーポイントに、私が朝礼で話した「ゴルゴ13の中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル」が載っており、私の話も少しは役に立ったかと思い、嬉しかったです。

「日本経済の成長と繁栄の追求」について
ゴルゴ13も登場しました!

 最後の「皆さんへのメッセージ」では、日本が豊かな国のままでいるためにも、国家公務員をはじめ、社会に何らかの形で貢献できる仕事について欲しいとのメッセージを頂きました。そして、そのためには語学力と、異なった考え方や文化を持つ人たちと接していく重要性も説かれました。本日聴講した生徒には、大学生になったら、是非とも海外留学などに積極的にチャレンジすることを期待しています。
 このように、素晴らしいロールモデルが多くいる成蹊の良さを改めて感じました。これからも卒業生との繋がりを強くし、キャリア教育の充実に当たっていきたいと思います。