7月17日(水)から19日(金)にかけて行われた、成蹊中学校1・2年生の夏の学校が無事終了しました(本校では、移動教室の事を「夏の学校」と呼んでいます)。
1年生は長野県茅野市の車山高原、2年生も同じ長野県の志賀高原で実施しました。1年生は、本校が独自で開発した自然体験プログラムで、その中心は湿原散策です。約20名の成蹊高校生がボランティアのヘルパーとして参加し、湿原の途中でクイズや様々な説明を行い、自然体験学習の理解の手助けをしてくれています。
私は、2年生の志賀高原に引率しましたので、少し詳しくご紹介します。1日目の昼食は、「元祖釜飯」で有名な荻野屋の釜めし弁当で、湿原の畔の気持ち良い空気を吸いながら舌鼓を打つことができました。午後は、「信州大学自然教育園」内をボランティアガイドの説明を受けながら、ハイキングです。途中、雨が強くなってきたので、雨具を使ってのハイキングとなりましたが、マイナスイオンをたくさん浴びることができました。また、夕食後には、生徒の中には初めての経験という者も多かった、ホテル近くでの「蛍狩り」も行うことができ、充実した一日となりました。
2日目は、7クラスが6つのコースに分かれての体験学習です。本校は、かねてから理科教育に力を入れており、中学段階から物理・化学・生物・地学の授業を置き、多くのはく製が並ぶ理科館などの設備も充実しています。そのため、このコース別学習では、戸隠地質化石博物館(地質・化石)、長野県環境保全研究所飯綱庁舎(地質・植物生態) 、白馬神城断層地震復興ツーリズム(地震・震災復興)、野尻湖ナウマンゾウ博物館(地質・化石)、長野市立博物館(歴史・天文)、一茶記念館・熊坂生活改善センター(野生鳥獣対策) を拠点に体験学習を行いました。現地の方と交流しながら、学芸員の方からは研究の道を選んだきっかけなどの話を聴くこともでき、キャリア教育に繋がる学習となりました。
私は、野尻湖ナウマンゾウ博物館での体験学習をするクラスに帯同しました。午前中の近藤洋一館長の講演は、「4万年前の日本に人類はいたか」「原始時代、どうやってナウマンゾウの狩りしたか」などをテーマにしたものです。生徒への問いかけ中心の講演は、生徒の心を揺さぶり、多くの発言を導く素晴らしいものでした。研究するうえで重要な「仮説を立てる」「仮説を証明する」「法則に気付く」「理論を作る」「生活に役立てる」といった観点も説明して頂き、研究職の凄さも実感できたと思いました。私が44年前に初めて教壇に立って行った授業は、この野尻湖を題材にしたものでした。その時のことが思い出され、大変感慨深いものとなりました。午後には博物館で、講演で伺った実際の展示を見て、学習をより深めることができました。
2日目の夜には、キャンプファイヤーの火に照らされて、全員でのレクリエーションを行い、最後は練習してきた「打上花火」の合唱で締めくくりました。歌が終わると、サプライズで本物の打ち上げ花火を行なわれ、感動の中で終わることができました。最終日は、フルーツ王国長野の地を味わうため、ブルーベリー狩りをして、無事学校に到着しました。ご苦労様でした。