校長ブログ「百代の過客」

夏の学校、無事終了!!

 7月15日(火)から18日(金)にかけて、中学1年生が車山高原、2年生が志賀高原をフィールドとして、夏の学校(校外学習)を実施しました。今年度から、コロナ禍前と同様の3泊4日で行いました。私は、本校として初めて民泊を行う中学2年生を引率しましたので、その内容を記します。         
 7月15日(火)、学校を出発したバス7台は、関越自動車道と上信越自動車道を通って長野県を目指します。1泊目の民泊は、今年度の2年生が桃李の時間で取り組んでいる探究学習においても活用するもので、長野の農家の生活と自分たちが日常過ごしている都会の生活を比べることをテーマに臨んでいます。昼食後、民泊の開村式の会場である信濃町総合体育館と大岡文化センターに向かいました。会場には民泊先のご家庭の皆さんが揃い、生徒はこれから始まる体験に少し緊張気味の様子でしたが、元気よく農家の皆さんと一緒に家へと向かっていきました。巡回の先生達からは、笑顔で農作業やイワナ釣りなどに取り組む姿が報告されました。

緊張気味の開村式
いよいよ民泊の始まりです!
ただいま収穫中!
こんなに収穫できました!

 7月16日(水)の午後、民泊の閉村式が始まりました。緊張の面持ちで民泊に向かった生徒たちでしたが、大変充実した楽しい時間を過ごしたことを、その表情が物語っていました。生徒代表の御礼の挨拶を終え、閉村式が終了すると、生徒達は民泊先の家族の元に駆け寄り、別れを惜しむ姿が印象的でした。宿舎に向かうバスの中では、「3泊とも、民泊でいい!!」との声も聞かれ、充実した様子が見受けられました。

閉村式での生徒代表挨拶
別れを惜しむ姿があちこちにありました!!

 7月17日(木)、今日は本校の教育活動の特徴の一つであるリベラルアーツをテーマとしたクラス別学習の日です。コースは、白馬神域断層地震復興ツーリズム、長野市立博物館、戸隠地質化石博物館、長野県環境保全研究所、野尻湖ナウマンゾウ博物館、一茶博物館と熊坂地区、いいづな歴史ふれあい館と三水小学校の7つで、それぞれの施設に応じた事前学習を行った上、当日に臨みました。
 私は、成蹊のルーツに関わる史跡が残る三水小学校を訪問しました。この三水小学校には、「法母庵(ほうもあん)」と呼ばれる茶室があります。この茶室は、白鳥義千代校長の茶道などを通した教育方針に感銘した当時の岩間清治三水村村長の寄附により、1942(昭和17)年に建設されたもので、国の登録有形文化財に指定されています。その白鳥校長が師事した人物が奥田正造東京成蹊高等女学校長で、この茶室も奥田校長が東京に設けていた「法母庵」の様式や名称を取ったものです。奥田校長は、本校の創立者である中村春二先生の後を継いで東京成蹊女学校の校長となった方で、成蹊の精神を茶道にも取り入れていました。
 私は、生徒達と共にこの茶室で、保存会の方たちの協力の下、お茶を一服頂かせて貰いました。奥田先生の書が床の間に飾られている中、保存会の人からは奥田流の茶道についての説明を聴きながらお茶を頂くことは、成蹊の精神が一杯に詰まった空間での体験となりました。

法母庵でお茶を頂きました!
保存会の方と一緒に
法母庵をバックに説明を聴く生徒達
抹茶づくり体験
いいづな歴史ふれあい館前にて

 この他、地層から化石を掘る体験や古文書の修復体験などを行ったクラスもあり、リベラルアーツに重きを置く取組ができた一日となりました。夜には、キャンプファイヤーを行い、楽しいレクや花火で盛り上がりました。私は初めて「火の神」となり、「火の子」が持つ松明に火を付けました

キャンプファイヤー
「火の神」は「火の子」たちと一緒に一枚!

 最終日の7月18日(金)は、志賀高原の自然散策です。木戸池から信州大学自然教育園、そして自然探勝コースを通って蓮池までの道のりです。快晴となった最終日は、志賀高原の自然を満喫するにはとても良い日となりました。蓮池到着後には、ブルーシートを広げて、荻野屋の「峠の釜めし」弁当に舌鼓を打ちました。

蓮池前でクラス写真
志賀高原の自然の下でのお弁当は美味しかった!

 この4日間を通して、農村の暮らしや風土を知ると共に、歴史や自然を肌で感じることができ、充実した「夏の学校」となりました。ご協力いただいた長野の関係者の皆様には、感謝申し上げます。そして、生徒の皆さん、それを支えてくれた先生方、ご苦労様でした。