学科・大学院
英語英米文学科では、「英語をもっと上手に使えるようになる」だけでなく、「英語という言語そのものを深く理解する」ことを大切にしています。そのための基盤となるのが、言語学と英語学です。言語学は、人間のことばがどんな仕組みで動いているのかを探る学問です。一方、英語学は、そうした視点を特に英語に当てはめ、英語の成り立ちやさまざまなバリエーション(イギリス英語・アメリカ英語だけでなく、若者の英語や英語学習者の英語など)、文法、メタファー、レトリック(説得するための技法)などを細かく見ていきます。
本学科が特に重視している専門分野も、みなさんにとって興味を持ちやすいテーマばかりです。例えば、バイリンガルの脳ってどうなっているのだろうと気になったことがある人は多いでしょう。心理言語学では、人がどのくらいの速さで単語を認識しているのか、それが第一言語と第二言語(例えば日本語と英語)では脳の働きはどう違うのか、といったことを扱って脳にメスを入れずに脳と言語の働きを解明しようとします。同じバイリンガルへの関心でも、家庭や学校の環境がどんな影響を与えるのかを探るのは社会言語学の分野です。誰に対してどんな話をする時にどの言語を使うのか、そこにアイデンティティはどう関係するのか。更に、方言、若者言葉、ジェンダーと言葉遣い、SNSでの英語の変化など、言葉と社会のつながりも社会言語学の分野です。語用論も言語はコンテクスト次第であるということを改めて教えてくれる分野です。認知言語学は、人の思考の仕組みと言葉の意味を結びつけて考える学問です。例えば、「気分が落ち込む」も"I'm feeling down."も、ネガティヴなことは「下」に捉えるメタファーが日本語と英語で共通していることを面白いと思った人もいるでしょう。このような現象も認知言語学で扱います。翻訳・通訳学では、訳すという行為が単語を置き換えるだけでは成立しないことを理論と実践を通して学びます。授業では「文化の違いの調整」「通訳案件の準備方法」といったリアルな状況に取り組みます。
こうした分野を学ぶことで、英語への理解が深まるだけでなく「ことばを使って世界をどのように捉えるか」という広い視点が育ちます。リアルな人間が発するリアルな言語に触れることで、「ことばそのものが好き」「人のコミュニケーションの不思議を知りたい」という人にはきっと面白い発見がある学びです。