学科・大学院
私は現在、航空会社でグランドハンドリングという航空機の地上支援業務を行っています。航空機に直接触れることができ、他では経験することができないような業務に日々胸を躍らせています。安全を第一とし、数多くの作業手順を遵守しながら、定刻通りの運航を実現するために迅速な作業を心がけて業務にあたっています。
この仕事を初めて知ったのは大学3年生の就職活動中でした。英語を学習していく中で英語を活かせる仕事に就きたいと思うようになり、その中で様々な人々と関われる空港で働きたいという思いが強くなりました。中でもゼミでのコーパスを用いた研究を通して英語の多様性、地域や時代による傾向を把握することで英語をより興味深いと思うようになりました。また、ゼミの仲間と協力して調査を行うことで1人では困難な課題に対しても取り組むことができ、チームで業務に取り組む今の仕事にもその経験が活きています。
入学当初はコロナ禍ということもあり不安に思うこともありましたが、先生方や職員の方々のサポートによって楽しく学ぶことができました。大学での4年間は人生でかけがえのない貴重な時間であり、多くのことを学び、様々な体験をすることができました。その時間を成蹊大学で過ごせて本当によかったです。
私はもともと、大学で英語関連の学科を専攻するつもりはありませんでした。高校は国際系の学科でしたが、周囲のレベルの高さに圧倒され、もう英語はいいかなと諦めていたんです。ただ、担任の教師に「ここで諦めるのはもったいない。大学でも英語の勉強を続けてみては?」と勧められ、成蹊大学の英語英米文学科を受験しました。
そんな背景もあり、入学当初は英語の勉強に乗り気ではなかったんです。しかし、実際に授業を受け、その気持ちは一変しました。高校までの英語の授業とは違い、大学で学ぶのは、英語の成り立ちからイギリス・アメリカの文化・文学、さらにはキリスト教を学ぶ授業まで様々。ゼミではアメリカン・ミュージカルの研究を専攻し、これまで全く触れてこなかった文化を知るきっかけになりました。英語力に関係なく学べる授業もたくさんあり、語学面でのコンプレックスを気にせず、伸び伸びと学べる環境だったと思います。
現在は、求人広告のコピーライターをしています。大学での学びが直接仕事に関わることはありませんが、コピーライターは過去の経験が何らかの形で役に立つ仕事。そういった意味では、大学で幅広いジャンルを学べたことは、コピーライターとしての糧になっていると考えています。
私は英米文学科を卒業後、同年9月から英国、スコットランドにあるエディンバラ大学の修士課程へ進学し、2023年12月に修士号を取得しました。修士課程では、Teaching English to Speakers of Other Languages (TESOL)を専攻しました。
修士課程へ進学するきっかけは、ゼミや英米文学科での学びです。学科では、英・米の文学作品を読み解くことだけでなく、英語の起源を探る英語学や、学術英語、メディア英語、異文化理解といったacademicなトピックからgeneralなトピックまで学ぶことができました。このような多角的な学びは、自然と英語への関心を一層高めていき、在学中はニュージーランドとアメリカへの留学も経験しました。
留学での体験も加わったことで、言語の深さに惹かれ、社会言語学の枠組みで英語を中心とした言語と文化、ジェンダーの関わりを探るゼミに所属しました。ゼミでは、毎週、言語に関する「気づき」をシェアします。すると「日本語では白黒と言うけど、英語ではBlack and Whiteと強調の仕方が違う」や「ある国では、First nameによって社会での扱いが異なる」と、様々な角度からの気づきがあり、毎回どんな気づきがシェアできるか、されるかが楽しみでした。
このような「気づき」をきっかけに、私は卒業論文で、英語の形容詞におけるジェンダー差を研究しました。研究の過程で、言語としての英語の研究を進めていきたいと思うようになり、英語教授法を専攻とする修士課程への進学を決意しました。修士課程を修了した現在は、博士課程への進学を目標としています。
現在、横浜市にあるキリスト教主義の中高一貫校で英語を教えています。英語教師として17年目を迎え、現在は学年主任として多くの生徒たちや保護者の方々と関わりながら仕事をしています。またオーケストラ部の顧問として生徒たちと音楽を作りあげるというやり甲斐のある毎日を過ごしています。こうした日々の英語の授業や、生徒たちとの関わりにおいて揺るがない土台となっているのは4年間の成蹊大学での学びです。
「英語の先生になりたい」という夢を持って成蹊に入学しました。専門の英語の授業をはじめ、教育原論や教育相談などの教職課程の授業を積極的に履修しました。英語科教授法と3・4年次の演習(ゼミ)では小野尚美先生に丁寧にご指導いただきました。第二言語習得の理論と最先端の英語教育の実践を学んだ集大成としての卒業論文を「英語科の授業における音読」という具体的な指導法をテーマにして執筆しました。この論文は私の宝物であり、私自身が困った時のガイドブックでもあります。
「教師になる上で大切なことは全て成蹊で教わった」、と言っても過言ではありません。「桃李ものいはざれども、下おのづから蹊を成す」を体現する先生方や職員の方、同級生、諸先輩方と出会って、成蹊ならではの少人数授業による心のこもった温かみのある指導を体験できたからです。教師になった今だからこそ、私が受けることのできた教育のレベルの高さと質の良さを実感します。
皆さんの大切な人生の4年間を緑豊かな吉祥寺のキャンパスで存分に学び尽くしてください。一卒業生として心から応援しています。