成長する成蹊大生の図鑑

経済現象への理解と
高度な分析スキルを磨く学びが
ITコンサルタントへの道を開いた

経済学部 経済数理学科 4年生(2023年度取材時)

2020年度入学

東京都立国際高等学校出身

経済学に加えデータ分析も学びたいと思い入学

経済数理学科を選んだのは、経済の事象を数理的に解析する力を身につけたいと思ったからです。私が高校3年生だった当時は、既に「データサイエンス」という言葉を日常で耳にするようになっていた時期。私は文系でしたがデータ分析に強い興味があり、また経済的な事象を知識として学ぶだけでなく、経済的なデータの分析・活用についても実践的に学びたいという気持ちがありました。世の中におけるお金の動きや株の仕組みなどにも強い興味があり、経済学に加えてデータ分析も学べるという点で、経済数理学科はとても魅力的でした。実際に入学して、経済の事象を分析する専門科目は実践的でためになっていると感じますし、その土台となる基礎ゼミでも、プログラミングやレポートの書き方の基本を徹底して学ぶことができ、着実にステップアップできたと感じています。ゼミで師事している永野護先生には1年次から授業でお世話になっているのですが、信頼できる文献を用い、最新の根拠を元に説明する大切さなど、大学での学びの基礎を徹底して教え込まれ、3・4年次の研究や社会で活用できる論理的思考力が磨かれたと感じています。

経済と分析手法をつなぎながら学び、実践力を磨く

専門科目では、「金融論」「国際経済学」「ファイナンス」など、数理分析を実際に活用する授業を積極的に履修したほか、必修の「計量経済学」では、「R」や「Python」などのプログラム言語を使った実践的な分析手法を学びました。「金融」を専門とする永野ゼミを選んだのは、さまざまな経済学の分野の中でも、「金融」は特に数理分析を活用できる領域だと考えたからでした。金融業界の第一線で活躍されていた経歴を持つ永野先生は、企業の実務でも通用するレポートの書き方など現場での実践に基づいた指導をしてくださいます。高い精度を求められる中で、情報収集、検証、発表というプロセスを繰り返し経験し、粘り強く取り組む力や問題解決能力が磨かれました。銀行のビジネスモデルについてレポートを書くときに、銀行の歴史や運営方針だけでなく、数理的な指標や金融市場における役割に言及して意見を展開するなど、多角的な視点を用いたアウトプットができるようになり、学びの中で日々手応えを感じています。

修得したプログラミングスキルを投資プランコンテストで活用

永野ゼミでは毎年、環境・社会・企業(ガバナンス)の三者(ESG)にとって有益な投資プランを考える「ブルームバーグESG投資コンテスト」に参加しています。私たちの代は、全12人の学生が3チームに分かれて参加。昨年の優勝チームの手法を分析したり、ESGを評価している既出の経済手法を収集するなど、チームでさまざまなアプローチを用いながら入賞をめざしました。惜しくも入賞は果たせませんでしたが、磨いてきたプログラミングの知識を実際に活用して分析するなど、実践力の成長を実感する機会になりました。外交問題などさまざまな要素が複雑に絡む中で三者にとって利益になる方法を考えるESG投資の難しさを体感できたことも、有意義だったと感じています。

1年間の協定留学がさらなる成長につながった

また、協定留学制度を利用し、3年次後期から4年次前期にかけて、マレーシアのアジアパシフィック大学(APU)に留学しました。現地で主に学んだのはIT領域。留学の動機は、国内の授業で磨いたプログラミングのスキルをエンジニアレベルまで発展させたいと考えたからでした。現地では特に、ハードウェアとセキュリティに関する学修に力を入れました。単位互換によって、留年や休学をすることなく、海外で高度な専門分野を学べたのは、私にとって大きなメリットでしたが、それだけでなく、世界のさまざまな地域から集まった学生との交流により視野を広げられたことも貴重な経験だったと感じています。マレーシアには、主に中国系、インド系、マレー系の人々が住んでいて、信仰している宗教も影響を受けている文化もさまざまで、国自体に多様性があります。そのうえ、APUの学生の半数は他の地域からの留学生が占めているという環境だったので、本当にさまざまな刺激がありました。たとえば、マレーシアで多様な人々がどのように共存しているかも興味深かったのですが、多様性の中にいるマイノリティの存在にも興味を引かれました。アフリカの離島出身の人がここにいたら、どのようにその人の文化や価値観を尊重したらいいのだろう?といったマイノリティを埋没させない方法を考えるようになるなど、以前にはなかった視点が身についたと感じています。

高度な技術力を備えたコンサルタントとして成長していきたい

卒業後は、ITソリューションに強い外資系のコンサルティング会社に勤めることが決まっています。私がめざしているのは、エンジニアレベルの高度な専門知識があり、深い理解に基づいた適切なサポートができるコンサルタント。技術的な部分をエンジニア任せにするのではなく、技術の高度な部分とお客様の課題の双方をしっかり理解し、最も有効なソリューションを提供していきたいと考えています。

成蹊大学では、現場レベルの高度な知見に触れられるゼミ、学びの可能性を広げてくれる協定留学制度など、学びたい意欲さえあればそれにどこまでも応えてくれる環境があったと感じています。社会でも学び続ける姿勢を大切にし、さらに成長できればと考えています。

データで見る成長した力

  • 大学IRコンソーシアム学生調査(アンケート)
    2022年度 3年生回答データより作成
  • 対象者数 成蹊大学:14名 全国:28,482名
  • 「増えた」は、「増えた」「大きく増えた」と回答した割合。「減った」は、「減った」「大きく減った」と回答した割合です。
  • 大学IRコンソーシアム学生調査(アンケート)
    2022年度 3年生回答データより作成
  • 対象者数 成蹊大学:14名 全国:28,136名
  • 「満足」は、「満足」「とても満足」と回答した割合。「不満」は「不満」「とても不満」と回答した割合です。
  • 大学IRコンソーシアム学生調査(アンケート)
    2022年度 3年生回答データより作成
  • 対象者数 成蹊大学:14名 全国:28,494名
  • 「増えた」は、「増えた」「大きく増えた」と回答した割合。「減った」は、「減った」「大きく減った」と回答した割合です。
  • ベネッセiキャリア「GPS-Academic」(アセスメントテスト)2022年度 3年生受検データより作成
  • 対象者数 成蹊大学:35名 全国:63,957名

※内容は取材当時のものです。