成長する成蹊大生の図鑑

多様な分野を横断する実践的な学びが
プレゼンテーション能力や
情報を精査し検証する力を育んだ

経営学部 総合経営学科 4年生(2023年度取材時)

2020年度入学

私立日本大学第二高等学校出身

マーケティングをはじめとした幅広い分野を学びたいと思い入学

もともと、某菓子メーカーが販売する健康志向のチョコレートに興味があり、多くの人に受け入れられる商品を世に送り出すような仕事を手掛けたいと思っていました。このビジョンを実現するために、大学ではマーケティングの知識を身につけたいと考えていましたが、高校生当時は、他にどのような分野があるのかをよく理解しておらず、ビジネスと関わる他の分野も幅広く学びたいという気持ちをもっていました。志望大学を検討する際には、マーケティングに加えて、経営戦略や財務などの分野を複合的に理解していることが、将来自分の強みになるとも考え、総合経営学科を選びました。実際に入学してみると、経営学の諸分野を幅広く学べるカリキュラムは期待通りだったと感じています。人的資源管理や組織などこれまで触れたことがなかった領域のおもしろさに気づくことができたのも、一つの学びの成果だと思います。

基礎演習を中心に、大学での学びの土台を築く

私が入学した当時は、コロナ禍の真っ只中で、授業はオンラインが中心でした。その中でも、1年次の基礎演習をはじめとした授業でレポートやグループワークに取り組み、着実に大学での学びの土台を築くことができました。私が特に大切にしていたのは、学んだ内容や自分の経験や知見を踏まえて考えること。あるテーマについて考える際も、いきなりインターネットで関連するキーワードから検索するのではなく、過去に見聞きしたもので事例として使えるものがないか、自身の経験を辿るようにし、きちんと腹落ちした根拠を説明に用いるようにしていました。基礎演習のグループワークでは、学校の教員が何をモチベーションに働いているのかを考察。教員の方へのインタビューなども行い、現場のリアルな感覚が反映された発表をめざしました。そうした学び方は、インプットする学びが中心だった高校では経験したことがなく、最初はどこから手をつければよいかわからない状態でしたが、要件定義の仕方を学ぶなど、現在取り組んでいる卒業論文にもつながる貴重な経験ができたと感じています。

強い会社組織の元となる「人材」に興味を持つ

総合経営学科の幅広い学びを通じて、効果的に商品のプロモーションをするためには、そもそも会社組織がしっかりしていなければいけないと気づき、人的資源管理やモチベーションといった分野に興味をもつようになりました。「人材育成研究」を専門とする北川浩先生のゼミでは、「若手リーダーを支える効果的なフォロワーシップのあり方」をテーマに、卒業論文に取り組んでいます。商品やサービスを中心に考えるマーケティングやブランディングの授業も興味深かったのですが、経営戦略や競争戦略といった学びの中で取り組んだ、フレームワークを用いた理論的な情報の解析や、マネジメントやチームワークに関する内容がとてもおもしろく、ゼミではもっと専門的に探究したいと考えるようになりました。卒業論文はグループで取り組んでいて、結論から先に述べる理論の組み立て方、プレゼンテーションソフトを使った効果的なスライドの見せ方、ポイントを強調して話す発表の仕方など、基礎演習や、3年生までに履修した授業のグループワークの中で磨いたスキルをさらに発展させることができ、プレゼンテーション能力や情報を正しく精査・検証する力に自信をもてるようになりました。

経理の魅力に目覚め、簿記検定2級に合格

私は自分に本当に合った進路を見つけるため、インターンシップをはじめ、社会で活躍する企業の方とお話しする機会を積極的につくるようにしました。その中で特に心を引かれたのは、建設会社に勤務されている経理の方のお話でした。もともと経理や会計に対しては、「ただ数字と向き合うもの」という印象があって、他の分野と比べて決して関心は高くありませんでした。ところがその方は、都内の有名スポットの建設費などを例に、サービスやモノの価値と数字との結びつきをイキイキと話してくれて、「経理っておもしろいかも?」と思うきっかけをくれました。それから経理について自分で調べていく中で、もともと興味をもっていた経営戦略や競争戦略との密接なつながりも知るようになり、本気で経理の仕事に就きたいと考えるようになりました。そこから奮起し、就職活動と並行して簿記の勉強に取り組み、3年次の秋に簿記検定2級に合格しました。

幅広い学びが目標の発見につながった

卒業後は、レトルトカレーの容器や紙コップ、シャンプーの容器、食品の缶など、さまざまな容器を扱うメーカーで経理として勤務することが決まっています。その会社は職種を先に決めてからマッチングをするという採用方法を行っていて、私は希望する経理でご縁をいただくことができました。もともと菓子メーカーが一般消費者にチョコレートを販売するようなB to Cのマーケティングに興味をもっていた私が、一般消費者ではなく、企業を主な対象とするB to B企業の経理職に就くとは、入学時からはまったく想像できませんでしたが、これは自分の可能性を限定せず幅広く学んできた成果だと思います。

また、経営戦略やマーケティングなどについて学んだ経験は、はじめから会計を専門に学んできた人にはない私の強みであると自負しています。グループワークなどで身につけたプレゼンテーションスキルや論理的思考力も、経営陣に対し、会社の状況をわかりやすく説明し、経理の立場からの提案をする際に大いに役立つはずです。また各部署の方とやりとりをする際にも、「人的資源管理」について学んだ経験を活かし、相手の状況や心境を視野に入れてコミュニケーションをとることで、理想の組織づくりに貢献できればと考えています。

データで見る成長した力

  • 大学IRコンソーシアム学生調査(アンケート)
    2022年度 3年生回答データより作成
  • 対象者数 成蹊大学:47名 全国:28,613名
  • 「あった」は、「ときどきあった」「ひんぱんにあった」と回答した割合。「なかった」は「まったくなかった」「あまりなかった」と回答した割合です。
  • 大学IRコンソーシアム学生調査(アンケート)
    2022年度 3年生回答データより作成
  • 対象者数 成蹊大学:47名 全国:28,494名
  • 「増えた」は、「増えた」「大きく増えた」と回答した割合。「減った」は、「減った」「大きく減った」と回答した割合です。
  • 大学IRコンソーシアム学生調査(アンケート)
    2022年度 3年生回答データより作成
  • 対象者数 成蹊大学:47名 全国:28,491名
  • 「増えた」は、「増えた」「大きく増えた」と回答した割合。「減った」は、「減った」「大きく減った」と回答した割合です。
  • 大学IRコンソーシアム学生調査(アンケート)
    2022年度 3年生回答データより作成
  • 対象者数 成蹊大学:47名 全国:28,489名
  • 「増えた」は、「増えた」「大きく増えた」と回答した割合。「減った」は、「減った」「大きく減った」と回答した割合です。

※内容は取材当時のものです。