成蹊中高には、タヌキやハクビシンが住み着き、オオタカやフクロウがやって来たこともある「林苑」があります。
校内に豊かな自然環境があり、理科や家庭科ではその恵みを授業に生かしています。

一方で、校内では得られない野外体験を求めて、夏期の校外宿泊行事「夏の学校」や、中学自然科学部・高校生物部などの合宿なども行っています。


その野外体験のひとつとして、毎年4月29日の祝日に「理科野外観察会」を開催しています。
今年も中学生を対象とした野鳥観察・植生観察・化石採集などを多摩川河川敷で行いました。

今年の理科野外観察会には中学1年生から3年生まで、計41名の生徒が参加。
例年に増して今年は参加生徒の約半数のご家庭から、ご家族の方にもご参加いただきました

集合場所のJR日野駅から多摩川河川敷までは徒歩で移動
途中で仲田の森蚕糸公園に立ち寄り、旧農林省蚕糸試験場日野桑園だった頃のようすや、今も植えられている様々な品種の桑の木々についての説明が、生物科の保母中学教頭からありました。
多摩地域などで作られた絹製品を輸出するため、八王子から横浜港へ向かう道が日本のシルクロード「絹の道」と呼ばれていたことなども伝えられました。

多摩川に到着すると、双眼鏡を取り出し堤防の上から野鳥観察。
今年はオオバンなどの野鳥を見ることができました。
河川敷の植物については、外来種が多い理由などの説明もありました。

河川敷に降りると、思い思いの場所で化石採集。
観察場所の地面は柔らかく、化石を掘る道具を差し込み地面をめくると、二枚貝をはじめとした水生生物や、川の流れに運ばれた植物の化石、水生生物の巣穴の化石などがでてきました。
今年もたくさんの化石が見つかり、約140万年前の多摩川河口のようすを思い浮かべることができました。

化石以外にも、鳥や動物の足跡や環形動物が動いた跡などの現生生物の痕跡や、上流から流れてきた人工物なども見つかり、現在の川の環境問題を考えるきっかけにもなりました。

参加した中学
1年生は、クラスメイトの校内とはまた違った一面を見つけて、さらに仲良くなったようす。
保護者やご家族の皆様は、生徒の学校での友人関係を知る機会や、保護者同士が知り合う機会ともなったもようです。
理科野外観察会が、春の休日を楽しんでいただく機会となりましたら何よりです。

次回の理科野外観察会は、来年1月に校内で天体観望会を行う予定。
理科棟屋上や天文ドームの望遠鏡で星を眺める予定ですのでお楽しみに。

<過去の理科野外観察会>
理科野外観察会を開催 2024.05.02
今年も理科野外観察会を開催 2023.05.02
理科野外観察会を3年ぶりに開催 2022.05.06
理科野外観察会を開催しました 2019.05.07
理科野外観察会を開催しました 2018.05.01
理科野外観察会を開催しました 2017.05.01

理科野外観察会を題材した入試問題
2023年度 入学試験問題(第1回)理科
2023年度 入学試験問題(第2回)理科
 どちらも大問[4]が該当