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歴史から学ぶ現代社会の「コミュニティ」

現代社会におけるコミュニティのあり方とは?
「コミュニティ」を築き上げ継続させる美意識や美の価値の存在に迫ります。
言葉が持つ印象と現状とのギャップ

いま「コミュニティ」という言葉がよく使われています。カタカナの「コミュニティ」という響きを聞くと、なぜかそこに、幸せなネットワークがあるかのような印象を抱きませんか。ゼミではまず、なぜそこに人が惹きつけられるのかを考えながら、コミュニティについての研究を行います。多くの人は家族、学校、地域などのコミュニティに属していますが、Web上で人とつながるSNSも一種のコミュニティと言えるでしょう。では、そこに確かな人と人との結びつきはあるのでしょうか。
コミュニティという言葉が多用される現代社会の中で、「コミュニティに属している」という意識は希薄になってきているのかもしれません。そのためか、引きこもりや孤独死など、ネガティブな問題も数多く生まれています。今後のコミュニティづくりを考えていく上では、そうした負の部分もしっかり見つめなければなりません。

「コミュニティ」を生んだ美意識を探る

自著『白洲正子―ひたすら確かなものが見たい』(平凡社、2013年)

歴史上、「コミュニティ」がうまく機能していた時代はありました。例を挙げれば、千利休の生み出した茶道が織田信長や豊臣秀吉らの武将を巻き込んで政治の領域にまで関わったり、柳宗悦が「用の美」を唱えて民芸運動を開始したり、といったことは「コミュニティの形成」に相当するでしょう。つまり文化や思想など共通の価値観は「コミュニティ」を形成する力があったのかもしれません。その根底に流れるのは美意識だったのではないでしょうか。そういった、「コミュニティ」を築き上げることのできた美意識に触れ、その意味を考えながら現代社会における「コミュニティ」の必要性を考え、そして経済学を学び、多角的な視点を持つことで、最終的に「コミュニティ」の中で自分に何ができるのか、どう生きたいのかが、きっと見えてくると思います。

挾本 佳代 教授

津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。新潮社勤務を経て、法政大学大学院で社会学における根本問題に関心を持ち、社会やコミュニティ、文化のあり方などを探究。博士(社会学)。主な著書に『白洲正子―ひたすら確かなものが見たい』(平凡社)など。

研究分野

社会システム論、文化社会学、社会経済思想史、コミュニティ研究