何を学ぶか?

学問をひもとくPICK UP! 研究

消費者行動に見る人間心理の不思議

パッケージに描かれた画像の配置でクッキーの売上が変わる!?
人の知覚と無意識の謎を、実験調査で解き明かします。
五感からの情報が消費者行動に影響を与える

実際の量は同じでも重く感じるパッケージが選択されやすい

私たちは五感を通じて、さまざまな刺激を知覚していますが、そのほとんどは無意識に処理されています。例えばクッキーのパッケージによく描かれている、商品名とクッキーの画像の配置を意識したことはありますか?ある実験では、画像がパッケージの上部により下部、左より右に描かれている方が選択される確率が高くなることを発見しています。そのからくりは私たちの視覚と重さの知覚が関係しています。画像の位置が下や右のほうにあると、重たく、つまりたくさん入っているように感じるのです。消費者はたくさん入っている方が嬉しいので、実際の量は同じでも重く感じるパッケージが選ばれるわけです。「消費者行動」の授業では、普段あまり意識していない行動の背後にどのような仕掛けやメカニズムが働いていたのかを探っていきます。

目に見える現象と、見えない意識のギャップを探る

SNSのハッシュタグをマーケティングに活用する動きが急速に広まっています。SNSで話題になっている商品は多くの人の目に触れ、人々の購買や同調行動を刺激します。流行っているものはますます流行っていくような状況です。しかし、インスタなどで話題にしている人、「いいね」を押している人全員が本当にその商品を好きとは限りません。流行にのっておきたいなど、社会的なプレッシャーで投稿する人も少なくないので、話題になったからといってそれが長期的な購買行動に結びつくとは限らないのです。表面的には好意的な態度を表示していたとしても、実はそうでもなかったり、潜在的にネガティブな態度をもっていることさえあります。消費者行動を捉えるのは一筋縄ではいかず、不思議なことだらけ。消費者行動の研究は「人間を知ること」そのものだと思います。そして、そこが大きな魅力でもあるのです。

井上 淳子 教授

早稲田大学大学院商学研究科博士後期課程単位取得。大学時代に「ブランド論」関連書籍に触れて魅力を感じ、マーケティングの研究者を目指す。消費者がなぜ、何を感じてそれを選んだのかに一貫して興味を抱き続けている。

研究分野

消費者行動