研究

経営学部河塚悠

マーケティング刺激としての製品パッケージが消費者行動に及ぼす影響

マーケティングにおける製品パッケージの重要性

 かつて企業は消費者に対して製品をアピールする手段としてマスメディア広告(以下、マス広告)に注目し、膨大な資金を充ててきました。しかし、近年では市場競争の激化による製品開発サイクルの短縮化や販売促進費用の増大に伴い、広告やキャンペーン費用を削減せざるを得ない状況に置かれています。このような背景から、企業が製品をアピールする手段はマス広告から店頭におけるコミュニケーションへと変化しています。
 店頭におけるコミュニケーションの重要性は、1980年代から指摘されています。たとえば、消費者がスーパーマーケットで購買した全製品の約3分の2は店舗内で購買を決定したものであることや、スーパーマーケットで買い物をする消費者の約8割は店舗内で非計画購買を行っていることです。このような消費者の購買行動から、多くの購買は購買時点での店頭の状況に大きく影響を受けていると考えられ、店頭におけるマーケティング刺激を用いて、消費者に対して製品をアピールし、購買意欲を高める有用性が指摘されています。

〈陳列棚の前でお菓子を選ぶ学生@ファミリーマート成蹊大学店〉

 現在、店頭で消費者に製品の存在を知らせ、直接的に購買を促す主要なコミュニケーションツールとして重要視されているのが、製品パッケージ(以下、パッケージ)です。Procter and Gambleの調査によると、買い物客は店頭で3秒から7秒の間に製品の購買意思決定を行っており、これとほぼ同じ時間、パッケージに注意を向けています。また、別の調査からは、消費者は購買意思決定にかける時間のうち、平均5秒から7秒を棚に並べられたパッケージを評価するために費やしています。このような店頭における消費者の行動から、店頭におけるマーケティング刺激としてパッケージが注目されています。

製品パッケージは消費者行動にどのような影響を及ぼすのか

 これまでの消費者行動研究から、パッケージが消費者の様々な反応(たとえば、消費者の情報処理、製品容量や品質などの知覚・判断、製品に対する選好、製品選択など)に影響を及ぼすことが明らかになっています。現在は蓄積されてきた知見をもとに、パッケージが消費者の製品消費に及ぼす影響を検証しています。
 パッケージは、最終的にゴミとして廃棄されるまで活用されつづけます。そのため、店頭だけでなく、購買後の店外でも消費者と接触するマーケティング刺激であり、他のコミュニケーションツールよりも消費者との接触期間が非常に長いという特徴があります。それゆえ、パッケージの影響は消費者が店頭で製品を購買する時点だけにとどまらず、製品を消費する時点においても、消費者に何らかの影響を及ぼしている可能性が考えられます。そこで、パッケージが一連の消費者行動に及ぼす影響を包括的に示すことを目指して、現在はパッケージの消費行動への影響を明らかにすることに取り組んでいます。

〈学生の協力を得て実施している実験の様子〉

Profile

経営学部

河塚悠

専門分野
マーケティング、消費者行動
担当授業
マーケティング、広告と市場、会社のしくみと制度、経営専門演習、基礎演習など

各学部サイトでは学部・学科の基本情報の他、教員と学生の距離が近いことを特色とする少人数のゼミ・研究室の様子を知ることができるコンテンツなど様々な情報発信を行っています。