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コミュニティ演習の授業成果報告会を開催

2022年07月13日

教育・研究

7月11日、文学部現代社会学科開講科目「コミュニティ演習」の授業成果報告会が行われました。

「コミュニティ演習」は、成蹊大学の位置する武蔵野市や近隣自治体に関わる具体的なテーマについて、地域住民や行政へのインタビューなどを通じて考察を進め、その成果や提言を地域に向けて発信していくアクティブラーニング型の授業です。今年度のテーマは「ローカルを再発見する―商店街から見えてくる武蔵野市の地域社会」。学生たちは4月から約4か月間、4班に分かれて吉祥寺の商店街に実地調査やアンケート調査を進めてきました。

授業成果報告会では、学生たちが取材を重ねて制作した「新入生・在学生におすすめしたいお店」というリーフレットの紹介に続き、各班から成果報告が行われました。

それぞれの発表内容は、以下の通りです。

第1班「外国人の店員から見た吉祥寺の商店街」
吉祥寺で働く外国人の店員の方々にインタビューをした結果、外国人にとっても吉祥寺は住みやすい街であるという声があった。
一方、外国文化が希薄であるという声もあった。言語的なサポートや海外で普及が進んでいるキャッシュレス決済の導入など、外国人でも利用しやすい環境を整えることが、吉祥寺の商店にも求められると思う。

第2班「なぜ吉祥寺はジャズの街となりえたのか」
1960-70年代にジャズ喫茶が吉祥寺に相次いで開店した。ジャズ喫茶はもともと会話厳禁であくまで音楽を聴く場所だったものが、食事提供や会話OKになったことで、誰でも入りやすい存在になった。吉祥寺は人のつながり・横のつながりが強く、このつながりを深める場としてもジャズ喫茶が機能し、「ジャズの街」になったのではないか。

第3班「『住みたい街 吉祥寺』は今後どうなっていくのか?」
武蔵野市民意識調査報告書の新旧比較や吉祥寺を題材にした漫画から、「住みたい街 吉祥寺」というイメージを支えている要素が浮かび上がってきた。
一方、ネームバリューやブランドによって、家賃や生活費の高騰も懸念される。また、住民の高齢化に伴い老後に関することを心配する声もある。バリアフリー化などを推進し、高齢者のみならず誰もが住みやすい街づくりが必要である。

第4班「成蹊大生が吉祥寺の商店街に求めるものは何か」
成蹊大生へのアンケート調査結果から、学生はよく知っている店を利用する傾向にあることがわかった。情報収集源はInstagramや友人・知人からの口コミであり、知らない店に関してはできる限り事前に情報を集める。したがって、店は情報をできるだけ開示し、予測可能性を高めることで大学生を集客しやすくなるのではないか。

各班の発表後は質疑応答が行われ、活発な議論がされました。

第1班として発表をした文学部現代社会学科3年今村裕夏さんは「成蹊大学を選んだ理由に吉祥寺にあるということが大きかったが、コロナで思うように吉祥寺散策することができなかったところ、この授業を知り履修した。何となくおしゃれな街というイメージだったところから、親しみやすい、あたたかい街だということが、授業の前後で吉祥寺に対するイメージとして大きく変わった。実際に店舗に行ってアポを取ったり、インタビューをしたり、時にはお店と交渉するなど、とてもアクティブに活動できたということがこの授業での大きな経験になったと思う。これまでの2年間のオンライン授業ではなかった困難にぶつかり、その分得られたものも多かった授業だった」と話しました。

普段から通っている吉祥寺という街について、様々な視点から考える良い機会になったようです。

授業の模様を記録したブログはこちらからご覧いただけます。