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理工学部 三浦正志教授が(公社)応用物理学会「超伝導分科会論文賞」を受賞しました

2024年04月05日

教育・研究

理工学部/大学院理工学研究科 三浦正志教授(専門分野:電子・電気材料工学、電磁現象学、超伝導工学、結晶成長学、固体物理学)が、3月22日に開催された(公社)応用物理学会超伝導分科会論文賞授与式にて「超伝導分科会論文賞」を受賞しました。
(公社)応用物理学会超伝導分科会論文賞は、国際学術論文誌に掲載された超伝導に関する最も優れた原著論文の著者を超伝導分科会審査委員会にて厳正な審査を行い、年1件表彰するものです。
三浦教授の受賞内容は次のとおりです。

●受賞の業績名
(公社)応用物理学会 超伝導分科会論文賞
「Thermodynamic approach for enhancing superconducting critical current performance」

●受賞者
三浦正志,、土屋豪、 原田工夢、 作間啓太、 黒川穂高、 關谷尚人、 吉田竜視、 加藤丈晴、 中岡晃一、 和泉輝郎、 鍋島冬樹、 前田京剛、 岡田達典、 淡路智、 Leonardo Civale、 Boris Maiorov

●業績概要
超伝導は、電気抵抗ゼロで大電流(超伝導電流)を流せる唯一の材料です。そのため、超伝導でしか実現できない様々な応用が期待されています。これらに応用するためには、磁場下で高い超伝導電流が求められます。
三浦正志教授は、科学技術振興機構(JST)の創発的研究支援事業に第一期生として採択され、「新材料設計指針により対破壊電流密度に挑む」の研究題目で研究を推進しています。今回の受賞した論文は、2022年に英国科学誌Nature系の専門誌NPG Asia Materials (論文の影響度を測る指標であるインパクトファクターは、10.50です)に掲載された論文です。三浦正志教授の独自材料設計指針である「磁束ピン止め点導入」と「高いキャリア密度」の融合により創製したYBa2Cu3Oy超伝導薄膜線材は、液体ヘリウム沸点温度(−269℃)下ですべての超伝導材料の中でも最も高い世界最高のJc =150 MA/cm2(1億 5000万アンペア/平方センチメートル)を達成してきました。また、18テスラの高磁場下においてもすべての超伝導材料の中でも世界で最も高いJcを達成することに成功しました。本研究の成果は、全超伝導モータを用いた新航空機、高度医療診断や核融合発電などこれから日本が世界をリードする分野に貢献することが非常に期待されます。本成果は、国際的に評価の高い英国科学誌Nature系の専門誌に掲載されただけでなく、多くの国際学会で紹介されるなど海外で非常に高く評価されたこと、そして、科学技術振興機構(JST)プレスリリースやニューズウィーク日本版など24件の報道がなされるなど国内でも高く評価されていることが今回の受賞につながりました。

応用物理学会「超伝導分科会論文賞」の賞状