文学部国際文化学科 細谷広美教授(専門分野:文化人類学)が担当する「文化人類学入門Ⅰ」で、アイヌ文化・アイヌ語を伝える活動を行う関根摩耶さんに講演いただきました。
文化人類学は「文化とは何か?」「人間とは何か?」ということを、フィールドワークを通じて"実践的"に考える学問です。「異文化理解とはどのようなことを意味するのか」ということを理解する一環で、関根さんからアイヌ語やカムイの文化について、実体験をもとにお話いただきました。
講師の関根さんは、アイヌ民族初の国会議員となった故萱野茂氏の故郷でもある北海道平取町二風谷(にぶたに)出身で、各種講演やラジオ番組、YouTube等を通じてアイヌ文化を発信しています。
関根さんから、会の締めくくりに『Kanto oro wa yaku sak no arankep sinep ka isam (天から役目なしに降ろされたものは一つもない)』ということわざをご紹介いただきました。これは人間だけでなくあらゆるものを含みます。
講演後には、文化の違いについて、学生たちから次々に質問が出ました。答えのなかで印象的だったのは、アイヌ語には「ありがとう」を表す言葉は数多くあるが、謝る言葉はほとんどないというお話。『ゴールデンカムイ』によく出てくる「ヒンナ」も食べ物に感謝を表す言葉だそうで、謝る言葉がないのは生きているだけで迷惑をかけるのは当たり前、と考えられているからとのこと。
公益財団法人アイヌ民族文化財団のご支援により、学生たちが多様な文化に触れ、自身で考える大変貴重な機会となりました。