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文学部 川村陶子教授が実行委員を務める「武蔵野アール・ブリュット2025」が吉祥寺美術館で開催され、成蹊学園けやき循環プロジェクトが素材提供に協力しました

2025年07月23日

社会・地域連携

文学部国際文化学科 川村陶子教授が実行委員を務める「武蔵野アール・ブリュット2025」が、7月11日(金)から14日(月)の4日間、吉祥寺美術館で開催されました。
武蔵野アール・ブリュットは、成蹊大学の地元武蔵野市が多様性のあるまちづくりの一環として2017年度からおこなっている、実行委員会形式の市民協働型アートプロジェクトです。今回は全体テーマ『みる・きく・はなす〜タイワのサキに〜』の下、アール・ブリュット作品の展示、フォーラム「アール・ブリュットって何だ!?」、3種類のワークショップを実施しました。成蹊学園けやき循環プロジェクトが工作の素材を提供したほか、本学学生がボランティアとして参加し、会場を盛り上げました。
ワークショップ「みんなで作る武蔵野マップ」は、来場者が建物や木々、乗りものなどのオブジェを自由に制作し、展示室中央におかれた巨大な武蔵野市の地図に設置していく企画です。その素材として、けやき循環プロジェクトが日ごろの活動で用いているキャンパスのケヤキ伐採枝や、学園内で集めた毛糸や端布の一部を寄贈しました。マップづくりには4日間を通して大勢の大人や子どもが参加し、成蹊のケヤキの枝は地図の中の道路や木々、建物の一部などに生まれ変わりました。地図上の北町3丁目には成蹊のキャンパス(本館、欅並木、10号館、アトリオ、ピーチくん)も再現されました。
学生ボランティアは「武蔵野マップ」工作スペースのお世話係をつとめたほか、他のワークショップにもサポートメンバーとして関与しました。7月13日の対話型アート鑑賞に参加した2名の学生からは、
・「石井健介さんの提案による雑談型アート鑑賞を通じて、『雑談』が場の雰囲気を和らげ、自然な対話を生み出す力があることを実感しました。また参加者の個性が作品と結びつき、ゆるやかなつながりが生まれるこのスタイルに、対話の魅力と可能性を感じました。」(文学部国際文化学科4年 安藤沙帆さん)
・「対話型鑑賞の様子を見て、参加者が自由に意見を交わす中で、思いがけない発見が次々と生まれていくのがとても印象的でした。アール・ブリュットの『生(き)の美術』の作品に触れることで、美術の表現の自由さだけでなく、鑑賞する側にもいろんな感じ方や可能性があることを知り、美術の世界がぐっと広がったように感じています。」(文学部国際文化学科4年 今井来光さん)
といった感想が寄せられました。知らない人と対話しながらアートを鑑賞することのさまざまな効果を実感できたことがわかります。
武蔵野アール・ブリュットについては、2025年3月に川村教授の責任編集により成蹊大学文学部学会が出版した人文叢書21巻『アートによる共生社会をめざして』でも、これまでの活動等が紹介されています。

▶「けやき循環プロジェクト」の詳細はこちら
▶ 成蹊大学人文叢書の詳細はこちら

■武蔵野アール・ブリュットとは
武蔵野アール・ブリュットは、平成29年に市制施行70周年記念事業としてスタートしました。アール・ブリュットとは「生(き)の芸術」と表されます。「生(き)の芸術」とは、美術の教育などを受けていない方が、誰を意識するでもなく、独自の発想と方法で制作したものと言われます。私たちはアートを通じて、多種多様な人々がつながり、お互いを認め合える社会を目指してきたといえます。その道のりも含めて、武蔵野アール・ブリュットなのだと思っています。(公式WEBサイトより)

武蔵野アール・ブリュットWEBサイト
▶開催の様子はこちら:(公式Instagram)
▶「みんなで作る巨大武蔵野マップ」完成動画はこちら(39秒。23-28秒あたりに成蹊のキャンパスが映ります)

武蔵野マップ工作スペースの様子
▲「武蔵野マップ」工作スペースの様子
対話型アート鑑賞の様子
▲対話型アート鑑賞の様子
けやき循環プロジェクトの素材展示
▲工作コーナーの展示(けやき循環プロジェクト)
巨大武蔵野マップの完成
▲みんなで作る巨大武蔵野マップ