2021年12月13日
「歌占」とは神様のお告げを和歌で示すおみくじです。むかしから日本では神様は和歌でお告げを示すと考えられてきました。古くは巫女などの巫者が和歌を解釈していましたが、時代が経過していく中で、あらかじめ和歌を解釈した上で吉凶が記された現在のようなおみくじが一般化していきました。
「天祖神社歌占」は、天祖神社の神々とご縁を結べる同神社オリジナルの和歌みくじです。このおみくじに関わる活動には、成蹊大学文学部日本文学科の教員(プロジェクト代表者:平野多恵教授)と学生・大学院生が協力しています。現在までに20の歌占が制作され、多くの参拝者に親しまれています。
この歌占には江戸時代につくられた「天岩戸開」絵馬(天祖神社蔵、板橋区登録文化財)に描かれた神々や狛狼像(御嶽神社蔵、板橋区登録文化財)のおみくじも含まれており、日本古来の信仰に基づく地域の文化財を現代的に活用する取り組みです。室町時代~江戸時代に行われていた作法通り、呪歌を唱え、弓の弦に結びつけられた和歌の短冊を選ぶユニークさも相まって、多くのメディアでも取り上げられています。
弓の弦から歌占の短冊をひく
今回、歌占に新しく加わるのは、ときわ台 天祖神社の小林美香宮司が宮司職を兼務する御嶽神社(東京都板橋区桜川)の御祭神「金山毘古神(かなやまびこのかみ)・金山毘売神(かなやまびめのかみ)」です。12月17日(金)には、今回新しくつくった歌占を神様に奉納する「歌占奉納祭」を天祖神社で執り行います。今年の奉納祭では、古くからの和歌の伝統をふまえ、現在も宮中の歌会始で行われている「和歌披講」の形式で歌占の歌が読み上げられる予定です。
天祖神社歌占の神様たち
和歌の披講は、新しくつくった和歌を読みあげてから節を付けて歌うことをいいます。古来、歌会や歌合(うたあわせ)の場では、和歌が披講されていました。現在も宮中の歌会始で行なわれています。今回の歌占奉納祭では堤公長氏により和歌の披講が行われます。
【歌占奉納祭と和歌披講のご案内】
日時:12月17日(金)14時00分~14時40分
場所:天祖神社 神楽殿
内容:今回新たに制作した「歌占」を神前に奉納します。宮司のご祈祷により神様の「歌占」として完成します。歌占の奉納は、和歌の伝統をふまえ、新しく作った和歌を読み上げてから歌う「和歌披講」の形式で行います。
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、移動や場所等の制限がある場合があります。当日は必ず同神社の指示に従っていただきますようお願いいたします。
【「天祖神社歌占」公式ウェブサイト】
歌占の紹介動画や歌占巡礼マップ、歌占のあゆみ、過去の展示などを掲載しています。