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経済学部・経営学部の「社会理解実践講義」の授業で 本学卒業生によるパネルディスカッションが行われました

2025年09月16日

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7月23日に、経済学部・経営学部の「社会理解実践講義(OB・OGが語るビジネス最前線) 」において、本学の卒業生である平竹雅人氏、松岡千佳氏、齋藤健一氏をお招きし、パネルディスカッションを実施しました。
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この授業は、現在社会で実務家として活躍中である本学OB・OGを講師に迎え、各講師の実務経験を活かして、各産業界の実態と将来の展望、求められる人材・人間像について講義します。社会人として生き抜いてきた経験談を交えながら、社会経済の実情と、履修者である学生それぞれの10年後、20年後に予想される社会人像を描いていく授業です。

今回の授業では、「第14回パネルディスカッション~社会の最前線で活躍するOB・OG達から学ぶ、20代の生き方働き方~」と題して、「学生時代だから出来た印象に残るエピソード」「社会人になって感じた学生との違い」「仕事を通じて感じるやりがい」の3つのテーマでパネルディスカッションが行われました。

ファシリテーターは本講座の創設に携わり、第1回のパネルディカッションよりご尽力いただいている廣野研一氏が務められました。「学生と社会人とのコンタクトポイントがないので、よい機会になる」と幅広い年齢層のパネラーをご紹介いただきました。
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(左から齋藤さん、松岡さん、平竹さん、廣野さん)

■パネラー紹介

平竹雅人氏(1994年 経済学部卒
【経歴】
三菱商事(株)デジタルイノベーションセンター長
一般財団法人竹田健康財団理事、米国アイゼンハワーフェロー。東京大学EMP修了。
三菱商事入社後、エネルギートレーディングにはじまり、風力、バイオマス、燃料電池・水素等の事業投資など、環境・ エネルギー分野を経験。台北、上海、ワシントンDC、デュッセルドルフに駐在。世界銀行上級執行管理官として、カーボンファイナンスビジネスを担当。その後日本では、首相官邸 内閣官房国家戦略室 総理補佐として環境・エネルギー/外交・安全保障政策に携わった。
現在は、福島県会津若松市に家族で移住。自立分散型共助社会をテーマに、デジタル技術やデータを使い、持続的に地域の暮らしを支える仕組み作りに挑戦中。具体的には、LV4自動運転実証、AIオンデマンドバスなどモビリティ事業はじめ、ヘルスケア、観光、教育領域などでの社会システム革新事業化モデルを推進中。(2022年成蹊学園広報誌「SIKEIJIN」に登場)
松岡千佳氏(2020年 経済学部卒
【経歴】
(株)西武ホールディングス経営企画本部第二事業戦略部ホテル・レジャー事業
大学在学中に高麗大学、コロンビア大学に長期留学(英語、韓国語、スペイン語堪能)。
2020年、(株)西武ホールディングスに幹部候補生として入社。駅業務員やホテルマンとして勤務した後、現在は、第二事業戦略部、ホテル・レジャー事業の経営企画部⾨で、グループ会社のガバナンスを担当。
齋藤健一氏(2002年 文学部卒)
【経歴】
2002年成蹊大学文学部卒業。同年、株式会社エヌケービーに入社。
2005年より、株式会社リクルートやベンチャー企業のコイニーなどを経て、メディアビジネス・広告ビジネス・ITビジネスの新規事業と事業開発の責任者を務める。
2018年以降、複数出版社の事業再生を成功させたのち、2025年からはエコンテ株式会社を創業、熱量ある自立型コミュニティの構築とマルチマネタイズのソリューションをもって企業と事業の再生・再構築を支援している。

■ファシリテーター紹介

廣野研一氏(1983年 経済学部卒
【経歴】
三菱地所(株)理事、 OCA TOKYO館長兼GM
成蹊高校、成蹊大学経済学部経済学科を卒業後、1983年に三菱地所(株)に入社。2001年より、大丸有まちづくり協議会事務局長やNPO大丸有エリアマネジメント協会理事を兼務し、2008年に三菱地所(株)街ブランド企画部部長に就任し、ソフト事業推進室長としても兼務。2011年、三菱地所(株)大阪支店副支店長に就任し、その翌年から一般社団法人グランフロント大阪TMO事務局長を兼務。2017年、(株)東京国際フォーラムの取締役、東京ビックサイトの監査役を担う。
2020年から三菱地所(株)プロジェクト開発部の理事に就任。現在、OCA TOKYO館長兼総支配人、NPO大丸有エリアマネジメント協会シニアアドバイザーとしても活躍。そのほか、京都大学経営管理大学院官民連携まちづくり研究委員や、成蹊大学非常勤講師などとして、まちづくりや後進育成に貢献。
約35年間、東京・丸の内、大阪・グランフロント大阪といった大都市のまちづくり、公民連携のエリアマネジメントに携わってきた。まちづくりとは「ヒト・モノ・コトの感動的な出会いの場づくり」であり、今はその具体的な場となる「人生を鮮烈に謳歌する」ことを目的にしたプライベートクラブの責任者として携わっている。

■パネルディスカッションや質疑応答の内容(抜粋)

① 学生時代だから出来た印象に残るエピソードなど

<平竹さん>
自由な時間を使って、徹底的に「本」を読んでみること。さらにAI時代には、 「一次情報(リアルな体験)」を大事にし、現場に出向き、自分の目で見て、感じて、いろんな人に会いに行ってほしい。

<松岡さん>
協定留学制度を通じて海外の学生と交流できたことは、今でも大きな財産となっている。特に、海外に滞在して勉強や異文化交流に集中できたのは、大学に守られていたからこそ得られた貴重な経験だった。社会人になった今、そのありがたさを改めて実感している。

<齋藤さん>
旅行中、伊豆の漁師に気に入られて一週間の漁師体験したり、“一見、無駄に思えて後から役に立つ人生経験を得られる”時間が沢山あった。

② 社会人になって感じた学生との違い

<平竹さん>
自分で稼いで生きていくということ。ドライバーズシートに座り、自らの人生のハンドルを握って主体的に動かしていくと楽しくなる。

<松岡さん>
社会や会社に対して自分が何かを提供しなければならず、その対価として給料をいただいているということを強く感じている。また、現在の会社ではガバナンス業務を担当しており、そのおかげでこれまで以上に幅広い人々と関わる機会を得ることができた。

<齋藤さん>
社会人になって自分の人生は自分のものではないんだと感じた。会社員になれば、会社の目指すことに対して仕事をしなければならない。家族やパートナー、社会、いろいろな関係性の中で生きていることを自覚することになる。

③ 仕事を通じて感じるやりがい

<平竹さん>
志を持って人生を歩むこと。人任せにせず、何事も「自分事」にしていくことが大切。

<松岡さん>
幅広い事業や多様な人々に携わることができ、やりがいがある。会社をどのように成長させていくかを考え、そのために様々な人と連携し、チームとしてのアウトプットを最大化することを意識しながら仕事に取り組んでいる。
<齋藤さん>
個性と期待の二つがやりがいになる。自分の個性を作ること。自分の個性で仕事ができ、社会や会社、周囲から自分への期待が高くなっていくことは、やりがいにつながっていく。

④ どのように意思決定をしているか

<平竹さん>
徹底的に考えた後、意思決定の最後の場面では、「野生の勘」も大切。

<松岡さん>
決定した後が大事。何が成功で何が失敗かは、結局のところ自分自身の取り組み次第で決まる。決めた後は最善を尽くし、自分の意思決定が間違っていなかったと思えるような努力を重ねることが大切だと思っている。

<齋藤さん>
安心とは不安を把握できている状態。最悪の状態を想定しておく。その上で直感に従う。自分にとっての最悪と最高を把握しておけば意思決定できる。

⑤ 学生の皆さんに向けて

<平竹さん>
世界銀行時代に教えて貰った本当に困った時に、相手が立ち止まって話を受け止めてくれるパワフルな言葉。「I need your help!」助けが必要なとき、『あなた』の『助けが必要だ』と伝えることで、困難を乗り越え、次に進むきっかけになる。

<松岡さん>
自分の得意なことを見つけ、それを活かして成功体験を重ねることで、自信をつけてほしい。自分の得意不得意を知るヒントとして、幅広い人とコミュニケーションを取ることは一つの有効な方法だと思う。

<齋藤さん>
あなたの個性で生きてほしい。好きなことをやる。できるだけ個性を磨く。

■パネルディスカッションを通した学生へのメッセージ<総括>

今日の講義を通じて、学生時代には知り得ない、社会で働くこととは何かを知ってもらえたら嬉しい。少なくとも今日のパネラーが生活費を補うためだけに働いている人たちでは無く、自分の今持てる最高のパフォーマンスを日々追及してチャレンジしていることが分かったと思う。
社会に出て、日々決断と責任を問われる環境となるが、失敗や成功を繰り返すことを経験して人は成長していく。そしてその努力は必ず未来に自分の大きな糧となっていくことを知って欲しい。
また、逆に学生時代だからこそ出来ることもわかったと思う。自由な時間がたっぷりある学生時代だからこそ、自分の好きなことを見つけて、行動し、深掘りしていって欲しい。自ら「知覚」し、「想像力」を養うことで、「創造力」生まれる。 自らの体験・経験に基づく言葉以上に説得力のある言葉はないのだから。(廣野研一)


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