2026年07月03日
この日を迎えるまでに、おみくじを授与する神社や制作の過程を学び、多くのデータベースを活用しつつ、三十六歌仙※の和歌の中から今回のおみくじにふさわしい歌や絵を探してきた9名の学生たち。
1人ずつ丹念に練られたアイデアを発表していきます。
三十六歌仙…平安時代中期の公卿・藤原(ふじわらの)公(きん)任(とう)が選んだ、36名の優れた歌人の総称。
学生たちのプレゼンでは、それぞれが三十六歌仙の和歌の中から選び抜いた1首について、歌の意味や現代語訳案、和歌から読み取れるメッセージなどを発表。さらには、おみくじに掲載する「歌仙絵※」の候補やおみくじのデザイン、自分たちで考えた神社でのおみくじ販売方法までをバラエティ豊かにプレゼンします。
歌仙絵…三十六歌仙の肖像画と和歌を組み合わせたもの。今回の演習では、最終候補に残った二作品のうちどちらがいいか、各学生が意見を言い合った。
学生たちのプレゼンでは、
「9名の選んだ和歌のバランスをふまえて、あえて切ない歌を選んでみた」
「おみくじは記念として持ち歩けたり、写真映えしたりするようなものになればとデザインを考えた」
「外国人観光者の多い神社なので、おみくじの構成には旅行運なども入れてみたい」
といった、対象者やニーズを的確に捉えたユニークなアイデアに、会場では大きなうなずきや相槌が出る場面も随所にみられました。
また、外国人観光者の多い神社であるという特性からおみくじの英語訳を入れるかどうかという話の中で、「書店でアルバイトをしているが、外国の方は日本語の本を買っていく傾向があるので、日本語で書かれているものに興味があるのでは?」という学生自身の経験が糧となって意見が交わされる場面もありました。
学生の発表後は、西久保八幡神社の多田光武 宮司や、今回のおみくじ制作を担当するカワセ印刷株式会社、壮光舎印刷株式会社の皆さまから、フィードバックをいただきました。
「(おみくじを)引いた人とのご縁を結ぶという意味でも、このオリジナルおみくじによって忘れられない体験をしてもらうようなものにできると」
「ずっと手元に持っていてくれるような、収集性があるものになればよいと思う」
といった専門的な意見の他にも、学生が生成AIを用いておみくじのイメージ案を資料に沿えている例が多くみられたことから、
「生成AIのデザインした作品は完成度が高く、十分販売できるような質のレベルにあることに驚いた。しかしながら、和歌みくじを手に取ってくれた人に、どのようなストーリーを届けるか、それを考えるのは生成AIではなく我々デザイナー、そして皆さん自身であり、デザインや構成、表現の改良を重ねて唯一無二の和歌みくじを創造していきましょう」
といったクリエイティブなアドバイスもいただきました。
学生たちは今回のフィードバックを受けて、今後さらに神社や印刷会社の方々と意見交流をしつつ、1年かけてオリジナル和歌みくじの制作を進めていきます。
今後もレポートしていく予定ですので、お楽しみに!