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<報告>文学部 細谷先生の文化人類学入門Ⅱの授業でAPECが開催されたペルーで文化功労賞を受賞した著名なバンドUchpa(ウチュパ)のリーダーのフレディ・オルティス氏が講演しました。

2024年11月30日

教育・研究

11月18日(月)に文学部 細谷広美教授(専門分野:文化人類学)が担当する文化人類入門Ⅱの授業において、APECが開催されたペルーで文化功労賞を受賞した著名なバンドUchpa(ウチュパ)のリーダーのフレディ・オルティス氏が講演しました。

文化人類学入門Ⅱでは、文化人類学研究の民族誌的現場をみていくことを通じて、文化人類学の方法論と思考方法についての理解を深めています。そのなかで具体例として南米アンデスを扱っています。
 
当日は、フレディ・オルティス氏から、アンデスのケチュア語*¹話者の村で生まれ、ペルー内戦時に警察官をするという特異な経験を経た後、スペイン語ではなくケチュア語のみでロック&ブルースを歌う「ウチュパ」を結成した経緯をお話いただきました。ウチュパは「灰」という意味で、紛争の後には何も残らないことを表しています。

講演の中で「PERU LLAQTA(ペルーよ)」、「CORAZON CONTENTO(浮き立つ心)」「DANZAQ(ダンサック)」の3曲を披露していただきました。
オルティス氏は、講演の中で「私は、自分の国と外国の音楽のフュージョンを行ってきました、学生の皆さんも自分が生まれた場所と他の場所を組み合わせるというフュージョンによって新しいものを生み出せるかもしれません。」とメッセージを送ってくださいました。
また、講演のお礼としてサッカー好きのフレディ・オルティス氏のために、細谷先生のゼミ生で世界大会に出場経験のある古田真那斗さん(文学部国際文化学科3年生)にフリースタイルフットボールのパフォーマンスを披露していただきました。

*¹ケチュア語:インカ帝国の公用語。話者数約1000万人でアメリカ大陸最大の先住民言語集団

■細谷先生からのコメント
フレディさんは先住民の大規模な虐殺が起こった紛争下で警察官となり、非先住民の同僚の警察官が反政府組織に日々殺害されていく一方で、同胞の先住民が政府軍・警察に虐殺されていくという経験をしています。当日も当時の経験を話された際は涙ぐまれていました。現在、第二次世界大戦以降国際社会が築こうとしてきたルールが機能不全に陥り各地で暴力が行使されています。紛争が何をもたらすのか、人種差別や文化的差別の現場、また人びとが自分の文化に持つ誇りを生で感じとってもらえればと思いました。TIMEの次世代リーダー2024には、夏にインタビューをしたケチュア語でK-POPを歌うQ-POPのレーニン・タマヨさんが選ばれています。ケチュア語で歌うヒップ・ホップのアーティストたちも生まれており、フレディさんはその先駆者となっています。