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理工学部 丸吉一暢准教授らの論文が学術誌「Journal of Physics A」においてBest Paper Prize 2025を受賞しました

2025年10月22日

教育・研究

理工学部理工学科丸吉一暢准教授(専門分野:素粒子論)らの論文が学術誌「Journal of Physics A」においてBest Paper Prize 2025を受賞しました。

これは、同誌に掲載された論文の中でも特に優れた研究成果として高く評価されたものであり、その分野への多大な貢献が認められた論文に対して授与される「最優秀論文賞」です。受賞者は、論文の新規性、研究成果、潜在的な影響力、そしてプレゼンテーションの質などの基準に基づいて選定されます。

受章内容は以下のとおりです。

雑誌名   Journal of Physics A
受賞名   Best Paper Prize 2025
受賞者   丸吉一暢准教授(成蹊大学理工学部)、奥田拓也氏(東京大学)、ジュアン・W・ピーダーセン氏(東京大学)、鈴木了氏(東南大学)、山崎雅人氏(東京大学)、吉田豊氏(明治学院大学)
論文テーマ Conserved charges in the quantum simulation of integrable spin chains
      (可積分スピン鎖の量子シミュレーションにおける保存電荷)


▶受賞の詳細は こちら:(外部リンク)

丸吉一暢准教授のグループは、近年急速に発展している量子コンピューターの性能基準を測るために、可積分スピン鎖と呼ばれる性質の良い物理系が利用できることを示しました。可積分スピン鎖は、時間が経過しても値が保たれる保存量を多数有しています。また、スピン自由度を組み合わせた模型であるため量子コンピューター上で模すことができます。現状の量子コンピューターは、量子ノイズやエラーが多くその解決が大きな課題となっていますが、可積分スピン鎖での保存量の時間発展もこの問題により保存しないという結果が得られました。しかし、この「保存しない度合い」は、逆に、今後開発される量子コンピューターやアルゴリズムの性能を測る上での良い指標となると言えます。これらを精密に調べたものが本論文です。


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