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法学部 法律学科 「演習Ⅱ・ⅢB/起業家体験プログラム」取材レポート

2023年01月20日

PICK UP!

成蹊大学法学部の特徴的な授業の1つである「演習Ⅱ・ⅢB/起業家体験プログラム」(担当教員:北川徹教授)の様子をご紹介します。

●学生自らが株式会社の設立から解散までを体験するプロジェクト型授業

「演習Ⅱ・ⅢB/起業家体験プログラム」は、2、3年次の合同ゼミです。3~4社の「起業家(創業)グループ」を結成し、疑似的に株式会社を設立します。株式会社ごとに事業計画(ビジネスプラン)を作成して11月に行われる欅祭(大学祭)に出店・営業。株式会社の設立から資金調達、販売活動、株主総会の開催、株主への配当、株式会社の解散手続きまでを体験する通年のプロジェクト型授業です。


ベンチャーの創業支援・育成に実績のある実務経験者の全面的な協力を得て実施され、実務経験者による指導を通じて経済社会における各専門家がはたす役割についても学びます。ベンチャーキャピタリスト(投資家)、司法書士、弁理士、公認会計士等による講演や指導のほか、学生が設立した会社に「投資家」として参加するゼミOB・OGと交流する機会も設けられています。


後期は専門家や社会に出て活躍するOB・OGへグループごとに自分たちが考えたビジネスプランをプレゼンテーションする機会が多く設定されています。様々な人から意見をもらい、コミュニケーションを取ることでアイディアを磨くヒントや状況改善の糸口を得ることも。視野も広がりビジネスプランは徐々にブラッシュアップしていきます。

●欅祭への出店

2022年度は28名の学生が4つの株式会社を設立。11月19日(土)、20日(日)に開催された欅祭に出店しました。


会社名と出店内容
・せっけんの宝石屋さん「手作り宝石石鹸の販売と製作体験」
・Atelier fleur 「ハーバリウムボールペンの販売と製作体験」
・Bel fiore「アロマワックスサシェの販売」
・リアルなパン屋さん「製作したパンの食品サンプルの販売」

手作り宝石石鹸

ハーバリウムボールペン

アロマワックスサシェ

学生が製作したパンの食品サンプル

4月からビジネスプランを練り、欅祭の直前は販売する商品の作成やSNSでの広報活動などメンバーが協力して準備を進めました。来店された方々は、学生が製作した商品のクオリティの高さに感激され、また、製作体験を楽しまれるなど、どの店舗も盛況でした。


その裏側で、学生たちは店舗のディスプレイの変更や販売価格の見直し、セット販売を増やすなど、どのようにしたら利益を生み出せるかを常に考えて、試行錯誤し続けた2日間だったようです。

●株主総会の開催

12月14日には、株主総会を実施。各社が株主へ事業報告と配当を行い、会社を解散する手続きを行いました。「投資家」としてプログラムに参加したゼミOB・OG が出席し、事業報告を受けて質問すると同時に後輩へエールを送っていました。

●「起業家体験レポート」要旨の口頭発表

最終課題として1月末に「起業家体験レポート」の提出が課されています。1月11日の最終授業では、全員が「起業家体験レポート」要旨の口頭発表を行いました。起業してみての感想や最終課題をまとめるにあたり考えたことなどが発表されました。


・ 株式会社の設立、運営はそれほど難しくないと考えていたが、実際に経験したら考えていたよりもはるかに難しかった。株式の発行や商品の価格設定等に頭を悩ませた。欅祭での出店を経て、商品やサービスにどのような付加価値をつけるか、優位性を出せるかなどの市場調査と分析が大切だと実感した。
・ 学生の視点だけでなく、協力していただいた企業の視点に立って考えないといけなかったと反省した。
・ 将来起業したいと考えているため、学生時代に授業で起業に関連する一連の流れを経験できてよかった。この経験を生かして社会に貢献するサービスを創り、広めたい。
・ プログラムの中で感じた働きやすい会社の条件をまとめたい。「働きやすい会社」の定義はざまざまであるが、レポート書くにあたり調査していく中で自分にとっての定義が明確になった。
・ よい会社とはどのような会社かを調べ、自分たちの会社がよい会社であったかどうかを考察する。自社の運営だけでなく、出資も行ったため経営者、株主双方の立場からまとめたい。

全員が発表を終えて、北川教授は「株式会社は、経営者や株主だけでなく、取引先企業、顧客、従業員、競合他社などさまざまな利害関係者と繋がっている。各利害関係者との間には法律が存在している。経済活動を支える「ルール」の視点から再度検討してもらえると新たな気付きも出てくる。また、本プログラムでは、欅祭という約1万人が来場する「市場」の中で具体的なターゲット(顧客)を設定し、どのような商品やサービスを提供するかを考えてきた。吉祥寺、東京、日本、世界と市場の規模が大きくなってもそのプロセスは変わらない。具体的に実際の会社との比較を行ってみるなど、具体的な場面を意識しながら欅祭における皆さんの経験を客観的に振り返っていくと、非常に興味深いレポートになると思うので期待している。」とおっしゃっていました。

最後に「みなさんのここまでの努力に大変に感銘を受けている。人生では、入試や就職活動などの椅子取りゲームが多くある。ただ、これまでも誰かが新しい椅子を作ることで日本の経済社会が発展してきた。椅子に座る機会に恵まれることも大事であるが、みなさんは今回のプログラムを通じて、椅子を作る選択肢があること、またその大変さとともに楽しさを経験することができたと思う。ぜひ自信を持ってこのゼミでの経験を生かしてほしい」と語り、プログラムが締めくられました。