2025年07月17日
「実践ビジネス演習(1)」(担当教員:藤田真弥)では、企業が実際に直面している課題に対して、学生がチームを組んでその解決策を発表します。企業の事業責任者や経営者へ提案し、直接フィードバックをいただく機会を通じて、ビジネス現場で求められる視点や能力を体得してもらうことが、本講義の狙いです。
今回、株式会社ファンケル(以下、ファンケル)から、「OKOME BAKERY」に関するマーケティング施策に関する課題を提供していただきました。「OKOME BAKERY」はファンケルが手掛けるオンラインのグルテンフリー専門店です。米粉ならではのおいしさにこだわり、からだに優しいグルテンフリーベーグルを販売しています。受講した学生は「OKOME BAKERY」というブランドを普及させるための戦略を考えるという課題に取り組みました。
6月10日(火)の講義にて、6チームがファンケルの本事業責任者の方へ提案を行いました。
チーム1:国内Z世代に向けたPOP UP店舗、および、海外スーパーへの輸出
ロサンゼルスへ留学していた実経験と、その際に構築したネットワークを活用して、現地のスーパーや学生へヒアリングした点が評価されました。
チーム2:在留外国人を対象としたスーパーでの販売
在留外国人ご用達のスーパーにてインタビューを実施したことに加え、スーパーよりファンケル製品の取り扱いに関心をもらうところまで交渉した点が高く評価されました。
チーム3:キッチンカーで学生および会社員へランチを提供
丸の内のオフィス街へ出向き、実際にランチ販売しているキッチンカーの情報をヒアリングした点が評価されました。
チーム4:総合型フィットネスクラブに通う20-40代女性を対象としたコラボ販売
まずは「お試しセット」の提供を通じて効果を検証したのち、購買意欲の高い層に特化して本格販売を行うという、段階的な提案が評価されました。
チーム5:ボクシングやボディビルなど、減量期の主食としての販売
ボクシングに取り組む学生自身の経験から、減量期に効率的にエネルギー補給できるという新鮮な視点が評価されました。
チーム6:50-70代女性を対象としたスポーツクラブへの委託販売
スポーツクラブでのアンケートを通じて、ファンケル社の想定顧客層(30-40代)より年齢が高い層(50-70代)がグルテンフリーに関心を寄せていることを示した点が評価されました。
本課題を通じて、学生はビジネスの現場で求められる視点や能力を体験することに加え、自分やチームメンバーの強み・弱みについて理解を深めることもできました。
「私の強みは論理的に考えその意見、指示を出せる点と計画力だと考えます。一方、チームメンバーのモチベーションを生み出せなかったり人に頼らなかったりする部分が弱みだと考えました。」
「これまでリーダー経験がなかったが、今回、周りの意見を取り入れながら一つのものに仕上げる力が身につき、強みと思えるようになった。計画に落とし込む力はメンバーに頼ることが多かったので、今後伸ばしていきたい」
今回の課題を提供くださったファンケル日置淳平様から、本取り組みに対して以下のコメントを頂きました。
「課題解決のためのアイデアを提示するだけでなく、実際に現場へ足を運ぶことで実践的な情報収集を行い、具体的な提案を示してくれました。SNSを用いたアンケートの活用や店舗へのヒアリングなど、柔軟な発想力と積極的な行動力という学生ならではの強みが発揮されたことは非常に印象的でした。
中には実現可能性が高く、具体的な施策として検討を進めたいと思える内容も含まれており、新たなターゲット層へのアプローチや当社では未着手の領域を切り開くアイデアには、大いに刺激を受けました。
本講義は、学生にとっての学びの場であると同時に、企業にとっても新しい視点や気づきを得る貴重な機会でした。」
本学の経営学部は、経営学に関する専門的な学びに加え、企業経営の問題をより広い視点から認識できるよう、実務経験のある専任教員からより実践的な内容を学修する授業を複数用意しています。本講義では、今回の学びを活かしながらさらに別の企業からも課題をいただき、実践的な学びを深めていきます。