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経済学部 鈴木史馬教授の共著論文が『2023年度経営史学会・出版文化社賞』を受賞

2023年12月08日

教育・研究

経済学部経済数理学科 鈴木史馬教授(専門分野:マクロ経済学)の論文「関東大震災と株式市場―日次・個別銘柄データによる分析―」(東北大学 結城武延准教授との共著)が、『2023年度経営史学会・出版文化社賞』を受賞しました。
受賞内容は以下のとおりです。

受賞名:2023年度経営史学会・出版文化社賞
受賞論文:鈴木史馬・結城武延「関東大震災と株式市場 -日次・個別銘柄データによる分析」(『経営史学』第57 巻第2号、2022 年9 月)
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【論文要旨】
近年、コロナウィルスの感染拡大、ロシアによるウクライナ侵攻といった大災害が経済に大きな影響を与えています。一般に金融市場で決まる株式や債券の価格は、社会に存在している様々な情報を集約して決まることが知られています。そのため、大災害が経済に与える影響についても株価などを観察することで、速やかに把握できることが期待できます。
本研究は、1923年9月1日に起きた関東大震災の発生時点における株式市場の動向に注目し、震災前後における価格形成を通じて、関東大震災が企業経営にどのような影響を与えたのか、また、それは市場において株価に反映されていたのかを実証的に考察しました。その結果、関東大震災は多くの企業に損害をもたらしたものの、むしろ経営環境に追い風となった企業も存在したことを明らかにしました。また、そのような企業の株価は震災後速やかに上昇していたことも明らかにしました。
この結果は、経済全体に大きな影響を与える大災害であってもその個別企業への影響には大きなばらつきが存在する可能性があり、投資家や政策担当者は大災害の影響を慎重に見極める必要があることを示唆しています。

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