理工学部は企業や地域と連携して実践力を鍛える専攻横断のプロジェクト型授業である「連携プロジェクトI/II」を実施しています。このプロジェクトでは、社会的要請の高いテーマに焦点を当て、専攻分野にとらわれず異分野からの視点や異分野の学生との交流により、視野や柔軟な発想の育成を促進します。
連携プロジェクトIIの中で櫻田 武教授(専門分野:ニューロリハビリテーション)が担当する授業<テーマ1>では、生体信号を活用したロボットカーを題材とし、小学生向けの教材作成に取り組みました。その集大成として成蹊小学校6年生を対象としたロボット教室を7月5日(日)に11号館3階イベントスペースにて開催しました。当日は、履修生である理工学部3年生4名が運営および参加児童の全面的サポートを担当しました。
今回の企画では、筋肉の信号で動くロボットカーを組み立てていく中で、ものづくりの楽しさに加え、生体信号のおもしろさをわかりやすく伝えることを目的としました。参加児童の中には、普段からラジコンやものづくりに関心を持っている児童もおり、「一から作るのは楽しい」と話しながら意欲的に取り組む姿も見られました。
履修生は参加児童の隣で作業を見守りながら、回路の差し込み位置や組み立て手順などを確認し、児童の進み具合や反応に合わせて必要に応じたサポート・アドバイスを行い、ものづくりの楽しさを引き出せるよう意識しました。
履修生からは、「参加児童に対して1対1でサポートすることができ、作業の様子を近くで確認しながら進めました。組み立ての手順でつまずきそうなところでは積極的に声をかけるようにしました」との声があったほか、「すべてを教えるのではなく、児童の進み具合に合わせて適宜アドバイスすることを心掛けました」と振り返りました。一通り組み立てたあと、モータが動かなくなるなど事前の準備では起こらなかった機器トラブルに直面することもありましたが、履修生は、児童が不安になったり手持ち無沙汰になったりしないよう状況を見ながら声をかけ雑談も交えながら臨機応変に対応しました。
アンケートでは「1つ1つ物を作ることってとても楽しい!!」「筋肉でロボットカーを動かす仕組みをもっと知りないなと思いました」「ロボットカー以外の物もつくってみたいです」といった感想もあり、参加者にとっても良い学びや経験の場になったようでした。
また、今回の企画の大きな特徴は、普段は教わる立場にある大学生が教える立場となってロボット教室を運営した点です。
履修生は、ロボットカーの仕組みや組み立て方、回路の作り方、完成後の遊び方などをまとめた資料を分担して作成し、参加児童が自分で確認しながら作業を進められるよう準備しました。特に、小学生向けということを意識し、資料内に写真を多用したことも工夫の一つでした。資料づくりについて、履修生の一人は「小学生にもわかりやすいことを意識しました。実際に、参加した小学生は資料を見ながらほとんどの部分を自分で組み立てられていたので、私たちの準備してきたことが形になったと感じました。去年の連携プロジェクトIにおいて、企業向けの発表資料を作った経験もありましたが、今回は相手に合わせて伝え方を考える点で違った学びがありました」と振り返っています。また、「教わることと教えることの違いを感じました。自分が知っているだけでは足りず質問されたときに答えられるよう仕組みを理解しておく必要があると実感しました。小学生が興味を持って取り組む姿を見て、教えることのおもしろさも感じました」といった感想もありました。
(櫻田先生コメント)「想定外の機器トラブル等に見舞われる場面も少なくなかったですが、そんな中でも履修生が根気よく参加者児童のサポートができていました。また、最終的に5人の参加者全員がシステムを完成させられるところまで導けたことは、履修生にとって非常に貴重な達成感を得る機会になったのではないかと思います。小学生と楽しそうにコミュニケーションを取りながら取り組んでいた姿も印象的でした。」
「連携プロジェクトII」では、各テーマでの成果を共有する最終報告会が7月23日に予定されています。<テーマ1>を履修した学生たちは、ロボット教室を通して得た学びを振り返り、プロジェクト型授業での実践を今後の学びにつなげていきます。また、成蹊学園の小・中高・大の一貫連携教育を活かした取り組みとして、今後の展開も期待されます。