文学部現代社会学科の授業「コミュニティ演習」(担当教員:見城 武秀教授)において、2026年度の研究成果報告会「今、私たちが伝えたい『吉祥寺の記憶』」が開催されました。
本科目は、成蹊大学の位置する武蔵野市や近隣自治体に関わる具体的なテーマを設定し、関係者へのインタビューや質問紙調査などの手法を用いながら研究を進め、その成果や提言を地域に向けて発信するプロジェクト型授業です。
今年度は「街の記憶の伝承者になる」をテーマに、「吉祥寺今昔写真館委員会」および「ぶんしん出版」と連携しながら、2018年に出版された『吉祥寺今昔写真集』の改訂作業を手伝うことを通じ、吉祥寺の街の歴史についての理解を深め、街についての記憶を未来の世代へと引き継ぐ伝承者となることを目指しました。
学生たちは、半年間の授業で以下の活動に取り組みました。
・吉祥寺の「定点観測の記録」を作成
昔撮影された写真と同じ場所で現在の写真を撮影し、街の変遷を記録しました。
・「街の記憶」の聞き取り・記録
古くから吉祥寺に暮らす方々に街の写真を見てもらい、当時の様子や出来事についての思い出を聞き取るインタビューを実施。これらの貴重な証言を、改訂版『吉祥寺今昔写真集』に掲載する予定です。
成果報告会では、初めに見城教授から、過去のコミュニティ演習と今年度の研究テーマとのつながりや今年度の授業で取り組んできた活動の紹介がありました。
その後、5人の学生が以下の5つのテーマを分担し、これまでの活動を通じて得た学びや気づき、地域の方々から伺った「ぜひ伝えたい」と思ったお話を、新旧の写真とともに報告しました。
発表後の質疑応答では、様々な立場の方々から感想や、それぞれの吉祥寺の思い出が語られ、世代を超えた活発な交流の場となりました。
▶武蔵野市図書館郷土資料担当者
「図書館には吉祥寺に関する多くの資料がありますが、街の方から直接お話を伺い情報を集める活動は、大変貴重な取り組みだと感じました」
▶インタビューを受けた吉祥寺今昔写真館委員会副会長
「非常によくまとめられていた報告だと思います。『吉祥寺今昔写真集』に学生たちのコメントや撮影した写真を掲載し、改訂を進めていく予定です」
▶報告した学生たち
「インタビューに協力してくださった方がとても生き生きとお話しされており、私自身も『街の記憶の伝承者』になれたことを嬉しく思います」「人が人に伝え、そして人が人に伝えていく。人と関わり繋がっていくことが大切だと感じました」
また、「半年間の授業の中でここまでまとめることは大変だったが、とても楽しかった」「いろいろな方へのインタビューが印象に残っている」と振り返っていました。
▶見城教授のコメント
初回の授業で吉祥寺の歴史について知っていることを尋ねたとき、ほとんどの履修生が「まったく知らない」と答えました。それがわずか3ヶ月で「他人に伝えたい」と思うほど街の歴史に詳しくなったのは、快くインタビューに応じてくださった皆さんのおかげです。
写真と地図を囲みながら地域の記憶を語ったり聞いたりすることは、街への愛着や世代間のつながりを育む力をもっています。今後もこうした実践をコミュニティづくりにつなげる可能性を探っていきたいと思います。