2026年06月17日
「実践ビジネス演習(1)」(担当教員:藤田真弥講師)では、企業が実際に直面している課題に対して、学生がチームを組んでその解決策を発表します。企業の経営者や事業責任者へ提案し、直接フィードバックをいただく機会を通じて、ビジネス現場で求められる視点や能力を体得してもらうことが、本講義の狙いです。
アルケア株式会社(以下、アルケア)は、「ベストケア創造企業として健康で豊かな医療福祉社会を実現する」をミッションに、外科領域を中心に医療機器を開発・販売しています。
(参考)アルケア社ホームページ
この度、外科領域の中でも学生にも馴染み深い整形領域、特に骨折してギプス生活になった際のサポートグッズについてマーケティング施策を提案する機会をいただきました。
(参考)ギプス生活のサポートグッズ
なお講義当日は、アルケア代表取締役会長 鈴木輝重様に加え、カスタマーリレーション推進部にて上記製品のプロモーションを統括されている服部壮祐 様および江草眞朗様、さらに人事担当の佐藤信子様、新井里佳様にお越しいただき、アルケアが求める①市場分析の妥当性、②患者さん視点での利便性、③患者さん視点での競合優位性、④医療従事者視点での利便性、⑤収益性の観点より評価をいただきました。
【最優秀チーム】ギプス生活の困りごとを予習できる動画を製品サイトへ掲載
病院でギプス治療を受けている際に医師からサポートグッズは紹介されますが、実際にギプス生活の困りごとを痛感するのは帰宅してから約7日間と、タイムラグがある点に注目しました。
サポートグッズ利用者の「声」をECレビュー4,500件を対象に分析し、特に上位の困りごとについて、予習動画をアルケア製品紹介サイトに追加することを提案しました。
【優秀チーム】運動部に所属する学生に向けたSNS発信およびセット販売
105名の学生(を中心とした20代、30代)へアンケートを行い、うち38名のギプス経験者に実際の困りごとを確認すると、「お風呂」「着替え」「移動」の順位でした。興味深いことに、これはギプス経験のない67名が「きっとギプス生活をしたら困るだろう」と想像する事項と一致していることを発見しました。
つまりギプス経験の有無を問わず、たとえば運動部など骨折リスクが高い学生を対象にサポートグッズの認知度を高めることは購買に寄与することを提案しました。具体的には大学のイベントに出展したり、運動部のSNSを活用した情報発信が有用であると調査しました。また一人暮らしの学生は特にニーズが高く、彼らに向けたセット販売についても提案しました。

アルケアは子会社に愛楽康医療器械(上海)有限公司を持っています。中国の物流会社、薬局、ECサイトの具体事例をあげ、彼らとの提携を提案しました。近年、日本企業が韓国コスメブランドのOEM(Original Equipment Manufacturer:他社ブランド製品の製造を受託すること)を担い、現地で認知度を獲得した後、日本で展開する事例などが目立ちます。
この視点を医療分野へ応用した独創性と、中国の現地製品との競合優位性について仮説を示した点が評価されました。
ECサイトにおけるサムネイルの工夫
アルケア製品はAmazonや楽天などのECサイトから購入できる点に注目し、製品のサムネイル画像が重要であると発表しました。現在ECサイトに出店されている類似製品を調べ、アルケア製品は価格優位性があると分析しました。この優位性を維持したうえで製品の「機能面におけるメリット」をサムネイルで伝えることができれば、顧客の購買欲の向上につながることを、79名へのアンケートから導きました。

また、本校から成蹊大学へ進学する生徒にとっては、大学の講義をイメージできる貴重な機会にもなり、感謝申し上げます。」
成蹊中学・高等学校の保健室へアルケア製品を寄付