2026年07月29日

2026年7月7日(火)、成蹊大学11号館に、多くの学生たちの笑顔が集まりました。
東三河産のメロンを使ったフルーツポンチづくりには長い列ができ、菊のブーケを手に記念撮影を楽しむ姿も見られました。会場では、生産者と参加者が同じテーブルを囲み、地域や食について語り合う光景が広がりました。
239名が来場した「学生版FOOD DAYS in 成蹊大学」
成蹊大学の学生を主な対象として開催されたこの取り組みは、単なる地域PRイベントではありません。学生たちが地域との出会いを通じて得た学びを、自ら企画し、編集し、新たな価値として届ける挑戦でもありました。
❁出発点は、一輪の菊だった

本企画を主催したのは、経営学部の学生プロジェクトチーム「ココカラ、つなぐ」と成蹊大学公認の蹊プロジェクト「IncuBASE」の学生たちです。今回中心となった学生の中には、昨年度実施された学生プロジェクト「はなおもい」に参加していたメンバーもいました。
「はなおもい」の活動を通じて学生たちは愛知県田原市の菊農家と出会います。生産現場を訪れ、生産者との対話を重ねる中で、花づくりにかける想いや地域が抱える課題を知りました。そしてその縁から、東三河地域で開催されていた「東三河FOOD DAYS 2025」に参加します。
そこで学生たちが目にしたのは、食材を販売するだけのイベントではありませんでした。 地域の企業、生産者、学生が垣根を越えて集い、人や土地の物語を共有する場。その姿に触れた学生たちは、「この体験を成蹊大学でも実現できないか」と考えるようになりました。こうして誕生したのが、「学生版FOOD DAYS」です。
❁地域の魅力を、学生が「翻訳」する
パンフレットの冒頭には、学生たちのこんな言葉が記されています。
―日本には、まだ知られていない食材や文化、そして生産者の想いがたくさんあります。それら地域の魅力を多くの方々に再発見し、価値を届けたい。―
学生たちが目指したのは、地域の魅力をそのまま紹介することではありません。 生産者や企業への取材を通して背景にある物語を学び、それを同世代に伝わる形へと再編集することでした。言わば、地域と若者をつなぐ「翻訳者」としての役割です。イベントは4つのコンテンツで構成されました。
❁五感で知る東三河
サーラ不動産株式会社 五十嵐 希 様
サーラ不動産株式会社の五十嵐希様より、東三河地域の特色や、人と人とのつながりを通じて地域の魅力を発信する「東三河フードバレー」の取り組みが紹介されました。東三河が豊かな食資源を有する一方で、担い手不足などの課題を抱えていることも紹介され、参加者は地域の現状に触れました。
(左)八右衛門園藝 越川 智尋 様
(右)渡会農園 渡会 理史 様
八右衛門園藝の越川智尋様と、菊農家である渡会農園の渡会理史様を招き、農業の魅力や地域への想いを共有。
日本文化とも深い関わりを持つ菊の魅力や、農業を取り巻く現状について話がありました。葬儀の小規模化などによる需要の変化や、生産現場が直面する課題についても率直に語られました。一方で、生産者からは、「良いものを作るだけではなく、その価値を知ってもらうことも大切」という言葉が投げかけられました。菊の新たな活用方法を模索する挑戦や、消費者との接点を広げる取り組みは、地域の魅力をどう伝えるかを考えてきた学生たちにとっても大きな示唆となりました。
東三河の魅力を楽しみながら体験できるブースを展開しました。好きな菊のブーケを選び短冊に願いを書く「願い事を菊」、東三河産メロンを使ったフルーツポンチづくり、地域の人々がおすすめするスポットをまとめた手作りマップなど、学生たちが工夫を凝らした企画が並びました。
学校法人食糧学院 学院長
馬渕 知子 様
東京調理製菓専門学校ご協力のもと、東三河産の食材を使ったオリジナル料理を考案し、参加者へ提供しました。
料理に使われたのは、食用菊「ジュエルマム」、ミニトマト、大葉、渥美たくあんなどの地域食材です。パンフレットでは、生産者が食用菊の栽培を始めたきっかけや苦労、食文化として広めたいという想いまで紹介されていました。
来場者からは、 「初めて食用菊を食べた」 「華やかでおいしかった」 「生産者の思いを知ってから食べられたのがよかった」 といった感想が寄せられました。 食べるだけでは終わらない。 誰が、どんな思いで作ったのかを知ることで、参加者は食材の向こう側にいる人や地域に目を向けていました。
❁出会いから、新たな共創へ

今回のイベントは、東三河の魅力を紹介するだけの場ではありませんでした。地域で出会った人々の思いや課題を受け取り、それを自分たちなりに学び直し、同世代へ伝える。その過程で学生たちは、生産者、企業、専門学校生、大学生など多様な人々をつなぐ役割を担いました。
東三河で得た経験を、成蹊大学という新たな場で形にした「学生版FOOD DAYS」
地域から学んだ価値を別の場所で再編集し、新たなつながりを生み出す----。地域の魅力を伝えることはもちろん、その背景にある人や文化、課題に向き合いながら新たな価値を生み出していく。学生版FOOD DAYSは、成蹊大学での学びが社会とどのようにつながるのかを示す実践の場となりました。
❁主催した学生から
経営学部4年 川村 華音 さん
本イベントは、15企業・団体の皆様にご協力いただき、企画を形にすることができました。この場をお借りして、改めて心より感謝申し上げます。
今回を通して、座学では得られない多様な立場の方々と信頼関係を築く難しさと面白さを学びました。
消費者の声が生産者へ直接届く機会が少ないという課題を感じていた中で、双方をつなぐ場を創出したことに大きな意義があると思います。
今後も、地域の魅力や想いを届ける活動を継続し、大学や地域・企業との共創を実現していきたいです。
「学生版FOOD DAYS」企画・運営
プロデューサー 川村 華音 さん(経営学部4年)
ディレクター 山下 夏歩 さん(経営学部4年)