このたび、理工学部/大学院理工学研究科 三浦正志教授/リーディングリサーチャー(専門分野:電子・電気材料工学、電磁現象学、超伝導工学、結晶成長学)が、独立行政法人日本学術振興会の「第22回(令和七年度)日本学術振興会賞」の受賞者として決定しました。
令和四七年度は、学術研究機関及び学協会から推薦された331名の候補者、および前回からの候補者(注) 165名を加えた計496名の被推薦者の中から日本の学術研究の将来のリーダーと期待される25名の受賞者が選考され、三浦正志教授/リーディングリサーチャーがこの栄誉ある賞の受賞者として選ばれました。
(注) 本賞の推薦書は2年間有効であるため、前年度の被推薦者から受賞者を除き、当該年度の4月1日時点で年齢要件を満たす者について、審査対象者となります。
【受賞者について】
受賞者氏名:三浦正志(みうら まさし)
所属機関 :成蹊大学 理工学部/大学院理工学研究科
職名 :教授/リーディングリサーチャー
推薦機関 :成蹊大学
【選定業績】
超伝導薄膜の臨界電流密度向上に関する先駆的研究
【選定理由】
超伝導材料の実用性能を左右する最も重要な材料特性の一つは、臨界電流密度Jc(電気抵抗なく流せる電流密度)の大きさである。三浦正志氏は、超伝導マグネット応用などで重要となる磁場中のJcの向上について薄膜を対象に研究を推進し、銅酸化物系超伝導薄膜、鉄系超伝導薄膜など各材料系におけるJc値を更新してきている。特に、銅酸化物系超伝導 YBa2Cu3Oy 薄膜においては、実用上重要となる 500~1000 nm 程度の膜厚を有するすべての超伝導材料の中で、最高のJc値を達成し、基礎理論のみ ならず実用上も大きなインパクトを与えた。これらの成果は、三浦氏の提唱する新しい材料設計指針によって達成されたものであり、本分野の材料開発を国際的に先導するものである。
このように三浦氏は、先進超伝導材料開発において世界的にも重要な研究成果を挙げてきた。当該分 野をリードする研究者として今後も更なる活躍が期待される。
【日本学術振興賞について】
日本学術振興会賞は、創造性に富み優れた研究能力を有する若手研究者を見い出し、早い段階から顕彰することで、その研究意欲を高め、研究の発展を支援することにより、我が国の学術研究の水準を世界のトップレベルにおいて発展させることを目的としています。
選考は、各分野を代表する我が国のトップレベルの学術研究者により構成される審査会で厳正な審査が行われ、受賞者を決定しました。
受賞対象者は、人文学、社会科学及び自然科学の全分野において、原則(※)45歳未満で博士又は博士と同等以上の学術研究能力を有する者のうち、論文等の研究業績により学術上特に優れた成果をあげている研究者としています。
(日本学術振興会Webページからの引用)
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